JR東海リニア「静岡県と対話完了」長かった道のり 年内着工へ大きく前進、クリアすべき「諸条件」も
静岡県はリニア中央新幹線の南アルプストンネル工事が環境にもたらす影響を議論するため、生物多様性、地質構造・水資源の2つの専門部会を設置し、JR東海と有識者たちが専門的な対話を続けている。
3月26日、20回目となる生物多様性専門部会が行われた。会場の県庁本館4階特別会議室に足を踏み入れると、どこかざわついている印象を受けた。
地元報道関係者の1人が顔見知りと思しき自治体参加者に「今日、何かあるんですか」と尋ねると、「JR東海との対話が今日で終わるんですよ」。ざわつきの理由はこれだった。
対話が終わるかどうかは会議が終わるまでわからないはずだが、この日の会合に向けて、JR東海、県、委員の間で事前の打ち合わせを進めてきたという。その過程で、参加者たちは「この日で終わる」という感触を得たのだろう。
2019年から8年越しの「対話」
県とJR東海の対話の経緯を簡単に振り返ってみたい。リニア品川―名古屋間は2014年10月に国が工事実施計画を認可した。沿線各県で工事着工に向けた動きが本格化する中、静岡県は着工を認めなかった。南アルプストンネル工事で発生する湧水の大井川への戻し方について両者の認識が一致しなかったためだ。
その後、JR東海は2018年10月に「トンネル湧水の全量を大井川に戻す」と表明、基本認識が一致したことから、11月に県は2つの専門部会を設置し、2019年1月から両者の対話が始まった。ただ、トンネル湧水量や大井川への影響の推定について両者の認識に隔たりがあり、議論は並行線をたどった。


















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