JR東海リニア「静岡県と対話完了」長かった道のり 年内着工へ大きく前進、クリアすべき「諸条件」も
2019年9月、県はJR東海と対話を要する事項として47項目を提示し、これらの対話が終了しない限り、トンネル工事の着工を認めないとした。そこで、国が調停役として有識者会議を2020年4月に立ち上げ、47項目についての議論が始まった。水資源と環境保全、合わせて27回の会議が行われ、2023年9月に報告書案が示された。これをもって、JR東海と国は47項目の課題の解決に向けた方向性がまとまったと考えた。
しかし、県の考えは違った。2023年10月、川勝平太知事(当時)は、「47項目をすべて議論することから見ると、1合目よりは少し進んだかなという感じ。まだ、47項目の本当に入り口という感じを持っている」と、有識者会議の報告書をないがしろにするかのような発言を行った。国・JR東海と県の認識の認識が真っ向から対立した。
知事交代で対話が加速
「関係者の皆様がいろいろな話をしており、少し混乱している。それらの整理も含めて今後の進め方について話したい」。事態を収拾すべく、森貴志副知事(当時)が2024年2月に記者会見を行った。
その説明によれば、県の専門部会では疑問点が解消され合意が得られたのは47項目中17項目にとどまり、30項目は引き続き協議が必要だとした。内訳は水資源26項目のうち9項目が未了、生物多様性17項目とトンネル発生土4項目はすべて未了というものである。県は今後の対話項目を水資源問題6項目、生物多様性17項目、トンネル発生土5項目の計28項目に整理して、専門部会でJR東海と対話を続けるとした。今にして思えば、「1合目」発言よりは前進した発言だったと言える。
2024年5月、辞任した川勝前知事の後を継いで鈴木康友氏が知事に就くと、JR東海との対話が加速した。およそ1年後の2025年6月、県の専門部会で水資源問題6項目の対話がすべて完了した。


















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