JR東海リニア「静岡県と対話完了」長かった道のり 年内着工へ大きく前進、クリアすべき「諸条件」も

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対話が終わり、いよいよ静岡工区の着工が見えてきた。

年内着工という期待が高まる中、着工の許可を出すタイミングについて問われた平木副知事は、「まず、専門部会での指摘を自然環境保全条例に基づいた計画書にまとめていく作業がある」と話した。また、自然環境保全協定の締結に際して必要な手続きを進めることことも重要だとして、JR東海には河川法や盛土規制法といった関連法について許可が得られるようしっかりと準備するよう求めた。

そして、「JR東海は流域住民に対する説明会、流域市町の首長や関係者の理解をしっかりと得ることなどが最低限必要だ」と述べ、こうした諸条件をクリアできれば年内着工もありうるという認識を示した。

静岡県 平木副知事
生物多様性専門部会の後、報道陣の取材に応える静岡県の平木省副知事(記者撮影)
【写真をもっと見る】ついに完了した静岡県とJRのリニア中央新幹線に関する「対話」。これまでの節目と、リニア車両や工事の近況など

専門部会の終わりは「始まりの日」

JR東海はこれまで、大井川流域8市2町において住民向け説明会を2回実施している。囲み取材後、JR東海に確認すると、現在は3回目となる説明会の開催に向け、流域市町と調整中とのことで、説明会の形式はオープンハウス形式を考えている。水資源に加え、発生土や南アルプスの環境保全についても説明する予定だ。

囲み取材では森下部会長の発言も印象に残った。森下部会長はアメリカの卒業式が「始まり」を意味する「コメンスメント(commencement)」と呼ばれていることを例に挙げ、「専門部会は今日で終わったが、南アルプスの自然のあるべき姿をステークホルダー全員で考えていく“始まり”の日が今日である」と述べた。

今回の専門部会における対話がリニア工事に反映され、工事の影響で南アルプスの自然環境が損なわれるとしても、それと同等以上に回復させるための措置が取られるのであれば、議論に費やされた長い時間は無駄ではなかったことになる。

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大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げ。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に定年退職後の現在は鉄道業界を中心に社内外の媒体で執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京交通短期大学特別教養講座講師。休日は東京都観光ボランティアとしても活動。

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