接点がなさそうな2人の結婚
東京・浅草の老舗おでん屋に来ている。個室を予約して待っていてくれたのは、全国展開をしているスポーツ施設勤めの佐藤政則さん(仮名、52歳)と、金融システム関連企業で事務職をしている貴子さん(仮名、48歳)の夫婦だ。どちらも年齢相応の外見だが、政則さんは177センチ60キロというスマートさで腰は低め。貴子さんは話し始めると生き生きとした表情になり、店選びから料理を注文する際の気遣いには知的な印象を受ける。
北海道出身の政則さんはスポーツトレーナーを目指して専門学校に通い、スポーツ関連の仕事を転々としていた過去がある。今でも休日は車を走らせてサッカー場や競馬場に行く。一方の貴子さんは東京生まれ東京育ち。大学を卒業してから金融システム系の会社に就職して転職歴はなく、趣味は美術館巡り。街中ですれ違うことはあっても親しく話すことはなさそうな2人だが、どのように出会って結婚に至ったのか。
まずは政則さん。志望者が多いスポーツ関連の仕事ではなかなか正社員にはなれず、13年前にたどり着いた現在の勤務先は4社目。全国転勤は必須で、広大な敷地が必要な施設なので、都市部に住むことも難しい。
「マッチングアプリで都内の女性と会ったこともありますが、私が住んでいる場所が遠すぎて振られてしまいました」
押しは弱そうだが清潔感のある政則さんは、職場恋愛の機会もあった。40代半ばで職場のアルバイト女性と3年間ほど交際していたという。4歳年下のシングルマザーだった。
「別れた理由は私の転勤です。お子さんが小さいこともあり、一緒に引っ越しする話にはなりませんでした」
感じはいいけれど、控えめで口数が少ない政則さん。優柔不断な性格を自覚しているようだ。その女性も、政則さんの本心がわからずイライラしたかもしれない。そもそも政則さんは結婚する意志があったのだろうか。なぜか筆者まで少し苛立ちながら質問したところ、やはり不明瞭な答えが返ってきた。





















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