「一度は結婚してみたかったです。子どもが好きなので……。若い頃に働いていた会社はちゃんと休みが取れず、今は休みこそ取れるけれど転勤族です。でも、歳も歳なので結婚したいとは思っていました。条件はありません。こんな私を拾ってくれる人がいるなら、と思っていました」
「結婚相手は誰でも良かった、ということ!?」
ここで貴子さんも会話に入ってきた。優柔不断かつ主張がはっきりしない政則さんにツッコミを入れたくなったのだろう。目は笑っている。ちなみに政則さんは、マッチングアプリで相手を探す際は「同い年から5歳年下まで」と検索していたという。「条件、あるじゃん!」という筆者の指摘に拍手している貴子さんの話も聞いてみよう。
結婚する意味は「世間体と、親を安心させるため」
「20代前半は、大学時代からの先輩と4年間ほど付き合っていました。なんか違うなと思って私から別れたのですが、あのときに結婚していたら今ごろは子どもが2人ぐらいいる人並みの人生を送っていたのかもしれません」
明確に流れるように話してくれる貴子さん。しかし、いわゆるモテるタイプではない。社会に出てからは恋人と呼べる人が全く見つからなかった。
「30歳のときに合コンで知り合った人とちょっとだけ付き合ったことはあります。でも、結婚する気はなさそうで自然消滅しました。相手が私だったから気持ちが盛り上がらなかったのかもしれません」
両親に愛されて育った貴子さんは、「結婚するなら子どもを産んで育てるのが当然」と思っていた。だからこそ、40歳を過ぎてからは無理に結婚する意味が減ってしまったと振り返る。
「世間体と、親を安心させるため、だけですよね」
ただし、この2点は貴子さんには重大だった。特に前者に関しては「結婚できない自分」を常に重荷に感じていたという。性格的に積極的な婚活はできなかったが、結婚する意志があることは周囲にも明かしていた。
「店員さんに横柄な態度をとる人、食べ物の好き嫌いが多い人だけは無理です。でも、年齢や年収、学歴などの条件はありません」
朗らかな性格の貴子さんには、長く付き合っている女友だちが多い。学生時代のアルバイト仲間から飲みに誘われたのは2024年のことだった。
「普段は地方に住んでいる人なので、久々に東京を訪れるときに、まとめて会いたい人たちと会いたかったようです。そこで夫(政則さん)も一緒に飲むことになりました。第一印象はお互いにあまりないですね。若い頃、『結婚相手には初対面でビビビッと来る』なんて話をよく聞きましたが、私たちには何も来ませんでした(笑)」





















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