とにかくお金持ちが多読を勧めるワケ(写真:Graphs/PIXTA)
読書は、コストのかかる作業だ。
金額はともかく、集中できる静かな環境、1人になれる時間、そして読んで理解して自分のものにする労力が必要になる。「読む本を選ぶこと」もコストになるだろう。
現代は、デバイスからかつてないほど多くの情報を瞬時に自動的に受け取れる。それに比べれば本を読むのにかかるコストは、どれもとんでもなく高いように見えるかもしれない。
しかし、成功した富豪や投資家たちは、定期配信動画やAIに“おすすめ”された記事のみならず、あえて「本」を読む。それも幅広いジャンルのものを多読する。一見投資やビジネスとは無関係に見える読書に、彼らがコストを投じるわけとは。
現役投資アナリストとして富裕層と接してきた執筆者が、その著書『投資家の母が20歳になった娘にどうしても伝えたいお金の話』の中で、富を築くために読書から得るべきものを解説する。
ビル・ゲイツの「読書週間」
マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツは年に2回、湖のほとりにある小さな小屋にこもって過ごすという。そこで本を読んで、考えを整理するのだ。
「考える週」と呼ばれるこのスケジュールは、彼がマイクロソフトを立ち上げてから現在まで続いているルーティンだ。彼はその1週間で数十冊の本や論文、報告書を読んで、これから世界がどう変化するのか、そして自分は何をすべきかについての考えをまとめるという。
彼は、2017年に行われた雑誌『タイム』のインタビューで、読書は成功に必須の要素とし、次のように話した。
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