林望が説く「電子本は読書にあらず」 紙の本の手垢と書き込みこそが"真の学び"となる理由

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窓辺で読書する男性
作家・林望氏が、電子書籍では得られない「読書の楽しみ」の本質について語ります(写真:fumi/PIXTA)
「タイパ」重視の風潮が強まる中、電子書籍は真の普及を遂げたと言えるのでしょうか。作家・林望氏は、紙の本が持つ「実在感」や「手垢」こそが真の学びになると説きます。本稿では、『書物を楽しむ あえて今、紙の本を読む理由』より一部抜粋のうえ、利便性の裏で私たちが失いつつある、表現の「間」や「味わい」とは何かをお伝えします。

電子書籍に馴染めない日本人

私は今までたくさん本を書いてきました。それを電子本で読む人もごくごく稀にはいるのですが、その印税の金額は1年に数百円程度にすぎません。

親本が何万部と売れているものでも、電子本で読む人は多くて数十人というのが現実で、しかも親本がなお現役で買えるものであったら、やはり紙の本で読むのが優先で、電子本を優先させる人はごくごく少数だと思います。

つまり、私の著作の場合、電子本が売れるのは、親本がもう絶版になっていて書店では買えない、というような場合がほとんどのように観察されます。

あるいはまた、2024年に実施された、本好き1000人に聞いたネット上のアンケートによると、日本では紙の本が好きと回答した人が76.5%、これに対して、電子本を好む人は僅かに7.7%だったとあります。

つまり日本人は、紙に印刷された本を読みたい民族で、欧米のように、電子本で読むというのは、どこか馴染めないところがある、これが厳然たる事実なのです。

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