日本の財政破綻危機で意図的に「大丈夫」「安心」「問題ない」と流されている、まことしやかな「5つのうそ」を暴く

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日本の財政は本当に大丈夫なのか。SNSなどで意図的に流されていることも多い「5つのうそ」を1つ1つ論破する(写真:ブルームバーグ)

財政に関して、意図的に流布されている「5つのうそ」を暴こう。意図的に財政破綻させようとしている論者もあるかもしれないが、哀れなことに、多くのうそは、ただ無責任に政治家や人々を喜ばせようとしてつくられているか、自分でその誤りに気付かずに主張しているか、どちらかである。

真実かうそか、「有力な見分け方」とは?

こういう論者は、基本的に「寂しがり屋のかまってちゃん」だから、数多くの賛同を得るために、SNSを中心に、単純な暴論を展開している。だから、うそかどうかの見分け方の1つは、SNSでよく聞く議論かどうか、観察してみることである。

これまで、こういったうそに対しては、誠実な人々はまじめに取り合ってこなかったが、事ここに及んでは、今さらではあるが、まず、善良な市民が信じてしまわないように、はっきりうそだと論破することが必要である。さっそくとりかかろう。

【うそ1】 政府の借金は国の借金ではない。一方で、それは国民の資産であるから、何の心配もない。

負債は誰かの債権であるから、負債と資産はバランスして、同額となるはずである。それこそが、バランスシートである。国の借金というのは、対外債務という考え方もできるから、そういう意味では、国の借金ではない、ともいえる。

しかし、個々の企業が倒産することを考えると、この議論はまったく意味がないことがわかる。企業Aの借金は銀行Bの債権つまり、資産であるから、企業Aは倒産しない、と言ったら、誰もがおかしいことに気付くだろう。

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