岐阜にある「巨大な県営団地」個性豊かな"部屋の内部" 《自由に間取りを作れる部屋》や、《共用廊下とつながる個室》も

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岐阜 ハイタウン北方
中庭を囲むように4棟が立つ(写真:筆者撮影)
思わず足を止めて眺めてしまうような、街中にある少し変わった形をした物件ーー。
いったいなぜ、そのような形になったのか。そこには、どんなドラマがあり、どのような生活が営まれているのか。
連載「『フシギな物件』のぞいて見てもいいですか?」では、有識者や不動産関係者に話を聞き、“不思議な物件 ”をめぐるさまざまな事情に迫る。
【前編を読む】岐阜にある「巨大な県営団地」4棟の"圧巻の美"

だいたんに配置された階段やガラス窓が覆う斬新なデザインなど、フシギさに引き込まれる集合住宅が岐阜県にある。岐阜市の隣、本巣郡北方町に立つ県営住宅「ハイタウン北方(きたがた)」だ。

もともとこの地には、昭和40年代前半に建設された県最大級の団地「長谷川住宅(北方住宅)」があった。

物理的な老朽化にくわえ、生活様式や高齢化社会への対応不備などの社会的な老朽化も課題となり、市街地整備と連携した建替事業が推進された。

4人の女性建築家が設計した個性豊かな団地

大規模な建て替え事業を実現するにあたり、県は建築家の磯崎新さん(1931〜2022)に依頼する。磯崎さんはコーディネーターを務め、国内外で活躍する4名の女性建築家を選出。それぞれが住棟を設計し、2000年に竣工を迎えた。

四半世紀経ち、ハイタウン北方の佇まいは今どのようになっているのか。記事前編では、敷地内に足を踏み入れて住棟を眺め、建設背景を紐解いた。後編では、いよいよ住戸内部を見学。間取りを観察、暮らしを想像する。

「ハイタウン北方」はどんな設計コンセプトのもとで進められたのか。当時の話を聞こうと岐阜県の都市建築部住宅課に連絡をとった。岐阜県庁で公営住宅係係長の宮崎良一さんに資料を見せてもらいながら話を聞いた。

竣工時に岐阜県が編集・発行したパンフレットによると、設計の基本コンセプトについて「21世紀に向けた居住様式を提案し、素材の使い方、建築技術においても他の先導的モデルとなりうる設計」とある。

「斬新な建物」という言葉も並び、地元の人にとっての「ステータス・シンボル、ランドマーク的モニュメントにもなりうる団地」を目指したことも読み取れた。

【42枚の写真を見る】これが県営団地?巨大な県営団地の個性豊かな4棟と、気になる部屋の内部
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