御上先生が「考えて」とよく口にする"深い意図" 「答えをすぐに教えない」ことで生徒が得る学び
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©TBS
現在放送中のTBS系ドラマ「日曜劇場『御上先生』」は、文科省官僚の御上孝(松坂桃李)が、私立隣徳学院3年2組の担任教師になり、令和の18歳と共に日本教育に蔓延る腐った権力へと立ち向かう、という大逆転教育ストーリーです。このドラマでは、実際の教育に関する問題も取り上げています。そこで、短期連載として、ドラマの教育監修も行っている西岡壱誠氏が、実際の教育現場への取材も踏まえて、このドラマから得られる教訓について解説します。
御上先生でよく出てくるセリフ
『御上先生』では、先生が生徒に対して指導を行うシーンが多々登場します。そしてその時に御上先生がよく口にする言葉は、「考えて」というものです。答えを求める生徒に対して、「考えて」と指導することがとても多いのです。
1話
御上「天下り斡旋の責任を取ってここに来たのは事実だ。でも不思議なことに、ぼくにはそんなことをやった記憶がまったくないんだよね」
神崎「そんな嘘が通用すると思ってるんですか」
御上「考えて」
神崎「は?」
御上「もしぼくが言っていることが真実だとしたら。いったい何が起こった」
御上「天下り斡旋の責任を取ってここに来たのは事実だ。でも不思議なことに、ぼくにはそんなことをやった記憶がまったくないんだよね」
神崎「そんな嘘が通用すると思ってるんですか」
御上「考えて」
神崎「は?」
御上「もしぼくが言っていることが真実だとしたら。いったい何が起こった」
2話
御上「どこで助けを出すか、出さないか、判断していかないといけないですね」
是枝「……難しいです」
御上「考えましょう」
御上「どこで助けを出すか、出さないか、判断していかないといけないですね」
是枝「……難しいです」
御上「考えましょう」
4話
御上「じゃあホームルーム始めるけど、ひとつぼくから提案がある。ディベートをしてみよう。いろんな意見があるわけだから、教室許可のこと抗議する前に一回、考えてみる必要があるんじゃない」
御上「じゃあホームルーム始めるけど、ひとつぼくから提案がある。ディベートをしてみよう。いろんな意見があるわけだから、教室許可のこと抗議する前に一回、考えてみる必要があるんじゃない」
このように、要所要所で、御上先生は生徒や同僚の先生に対して「考えてください」と話しています。そして逆に、御上先生はすぐ簡単に「答え」を提供することはありません。生徒に対して指導するときには、ああしろ・こうしろと指導するのではなく、ある程度の方向性を生徒に示しつつも、直接的には答えを言わず、「考えて」とだけ指導をするのです。
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