人間関係を支配する「3倍の法則」のすごさとは 脳のサイズが規定する集団の規模とその機能

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争いばかりの人間たちへ ゴリラの国から
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200万年前に、脳が600ccを超えたホモ・ハビリス(ラテン語で「器用な人類」)が登場しました。

それまでのアウストラロピテクスと異なり、親指と他の指との対向性がある、非常に器用な手をしていました。それで、初めて「ホモ」という人間の名前がつけられたのです。

ダンバー氏は、そこに集団サイズを当てはめました。すると、脳が600ccを超えた頃の人類の集団サイズは、30人程度だということがわかりました。

脳の大きさと集団サイズは、並行的に対応して進化しており、50人、100人、150人という数字が導き出されます。

その後、ダンバー氏は、これらの人数を現代に当てはめていきます。『「組織と人数」の絶対法則』にも書かれていますが、軍隊の小隊や、宗教の布教集団のサイズなどがそれにあたります。

例えば、30人というと、僕は学校のクラスを思い浮かべます。毎日顔を合わせているから、顔と性格が一致していて、誰かが欠ければすぐにわかる。そのような規模の集団は、かろうじて分裂せずに、1つのまとまりを作ることができるのです。

人間は自然の趨勢に縛られている

集団のサイズは、社会のニーズによるもの、あるいは、文化や言葉、コミュニケーションによって変化するものだと言われてきました。つまり、人類が恣意的に作るものなのだと。

しかし、「ダンバー数」が現代に当てはまるとなると、それは違うとなった。これの意味するところは、恐ろしい話です。

集団のサイズは、人類が作った文化によらず、自然にできているものであり、しかも、それぞれの数にきちんとした機能と、維持するための規則が決まっている。我々は、それをどうすることもできないという話なのです。

人間は、人間関係や社会的な行いにおいて、いまだ自然の趨勢による集団の数に縛られているということを示した。これはすごい話です。

ビジネスの世界では、効率性や生産性を高めるために、組織やコミュニケーションの在り方について、さまざまなメルクマールを探っていますが、最も大切なのは「集団の規模」ということになります。

その集団の規模と、集団を維持するために何をするべきかが、本書で語られていますが、特に、半分以上を費やして述べられているのは、リーダーシップについてです。

リーダーは、集団の規模に応じて、どういうことを求めていく必要があるのか。これは本当に目から鱗でしょう。

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