英ロータス「イメージ覆す」大変革の意外な中身 伝統的スポーツカーメーカーがSUVを作る意味
私は地域ごとに直接、CEOである上海のミスター・フン(馮擎峰:Feng Qingfen)にリポートをあげています。担当する市場にも、よりダイレクトな責任を持つようになっています。
―いま成功するためには、地域ごとに市場の特性を重視することが肝要だと、多くの自動車メーカーは話していますね。
はい。私は「One size fits allでやってはいけない」とか「単一スペックですべての市場がカバーできる時代ではない」と、スタッフに話しています。日本についても同様です。リージョナルチームをつくって、日本と台湾を専門に目配りさせています。
特に日本は例外的な市場です。私たちは現在、2019年の「エヴァイヤ」、2022年の「エレトレ(2つめのレは小さく発音)」、2023年の「エメヤ」、そして2024年の「エミーラ」と、電動車やSUVなどで市場を拡大していこうと考えています。
しかし、日本の市場は、今のところスポーツカーが中心です。電動化は進むにしても、中国や韓国と同じスピードではいかないだろうと見ています。日本市場については、独自の戦略が必要です。
アイルトン・セナや中嶋悟への想い強い日本
—先の発言にあったように、日本市場でのロータス観は「ピュアなスポーツカーメーカー」で、意識を変えるのに時間をかけていくということですね。
韓国、香港、シンガポールといったアジアの市場で、ロータスは力をつけてきています。日本のような歴史がないため、ゼロ・スタートであり、電動化も速いスピードで展開していくだろうと考えています。
コリン・チャプマンをはじめ、ジム・クラークやアイルトン・セナ、中嶋悟らをドライバーとして擁していたチーム・ロータス(F1)を含めて、私たちの歴史に知悉(ちしつ)してくれている日本では逆に、アジア諸国と同じような販売戦略をとっても、成功は難しいのではないでしょうか。
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