通勤復活で「超満員」再び?鉄道混雑率ランキング 2023年度・100%以上の全国143区間を独自集計
データを集計すると、混雑率ワースト1位は4年連続で東京都営の新交通システム、日暮里・舎人ライナーの赤土小学校前→西日暮里間で171%。2位は、2022年度に6位だった広島電鉄宮島線の東高須→広電西広島間が140%から164%に急上昇してランクインした。
3位は2022年度に12位だった東京メトロ日比谷線の三ノ輪→入谷間で、こちらも135%から162%へ27ポイントも上昇した。4位はJR埼京線の板橋→池袋間で160%。5位は2022年度に2位だった西日本鉄道(西鉄)貝塚線の名島→貝塚間と、JR中央線快速の中野→新宿間が158%で並んだ。
混雑率が100%以上、つまり列車の定員を上回っているのは237区間のうち143区間で、2022年度に比べて17区間増加した。
輸送人員が示す「通勤」復活
以前は首都圏の「通勤の大動脈」が並んでいたワースト上位路線。コロナ禍以降は多少の利用者数の増減に混雑率のパーセンテージが大きく左右される、輸送力の小さい路線が目立つようになった。1位の日暮里・舎人ライナー、2位の広島電鉄宮島線、5位の西鉄貝塚線がこれに当たる。
日暮里・舎人ライナーは小型のゴムタイヤ式電車5両編成で運行する新交通システム。コロナ禍前から全国有数の混雑路線で、2016年度以降はワースト5の常連だ。ピーク時1時間当たりの輸送人員は2022年度比約800人増の8187人。これに対し輸送力はわずか17人分増の4788人分で、混雑率は16ポイント上昇して171%となった。
5位の西鉄貝塚線は2両編成の電車が走る福岡の郊外路線。ピーク時1時間当たりの輸送力は長らく2両×6本の1488人分で変化がない一方、輸送人員は2022年度比で70人増え、混雑率は154%から158%に悪化した。2022年度はワースト2位だったが、他線の混雑率上昇が上回ったためランキングでは5位に下がった。
一方、輸送力のアップを利用者数の増加が上回ったのが2位の広島電鉄宮島線(2号線)だ。広島市内中心部に直通する路面電車タイプの車両が使われており、輸送力は2022年度より300人分増えているものの、輸送人員は1000人以上増加した。コロナ禍前の2019年度データと比べても約1900人増えているが、これは「データの取り方が違うので比較はできない」(広島電鉄)という。
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