市場調査会社のIDCのデータによれば、全世界のパソコン出荷台数はパンデミックの最中の2021年にピークに達し、その後は(リモートワーク特需の反動で)縮小に転じた。2023年の出荷台数は2億5400万台と、2021年の3億4900万台より3割近く減少した。
そんななか、レノボは市場環境の悪化に苦しみながらも、世界シェアトップの座を維持してきた。IDCのデータによれば、2023年10~12月期の世界シェアランキングの上位3社は、首位がレノボの24.0%、第2位がHP(ヒューレット・パッカード)の20.8%、第3位がデルの14.8%となっている。
また、世界シェア上位5社のなかで10~12月期の出荷台数を前年同期より伸ばしたのは、首位のレノボと第2位のHPだけだった。
サーバー需要の急回復に自信
個人向けデバイスが中心のIDGとは対照的に、法人向けが主体のISGの業績は冴えない。10~12月期のISGの売上高は24億7300万ドル(約3712億円)と前年同期比13%減少。営業利益は前年同期の4328万ドル(約65億円)の黒字から、3773万ドル(約57億円)の赤字に転落した。大口顧客であるクラウド事業者などがコスト削減を重視し、サーバーの新規購入を抑えたことが響いた。
しかしレノボは、ISGの先行きについては楽観的だ。あらゆる業界がIT関連の支出を増やし、AIへの投資拡大を進めるなか、クラウド事業者の需要は急回復すると見ているためだ。
「ISGの2024年1~3月期の売上高は、前年同期比プラスに戻るだろう」。楊CEOは、決算説明会でそう自信を示した。
(財新記者:劉沛林)
※原文の配信は2月22日
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