「100円ラーメン」復活の話は5~6年前から構想があったという。
もう一度復活させたいという思いで当時の店主のご子息にも会い、レシピなどが残っていたら受け継ぎたいと思っていたが、当時のものはまったく残っていなかった。お店の復活は完全に一からの作業になったのである。
「そんな頃、1年前に開業した『桑都テラス』との縁があり、1周年の目玉として『100円ラーメン』を復活させないかと私が提案に上げました。『桑都テラス』は新しい老舗を作ろうというコンセプト。まさに復活にふさわしい舞台だと感じました。私が座右の銘としている『継往開来』の精神を表現したお店にしようと心に誓いました」(青木さん)
「継往開来」とは文化や技能を引き継いで今に落とし込み未来を切り開いていくという意味。
長くめだかの関連事業、就労支援事業を展開してきた青木さんとしては新たなチャレンジだが、ここしかない舞台が用意された。
100円で採算は取れる?
復活は素晴らしいことだが、まず疑問に思うのは100円で採算が取れるのかということだ。
カップラーメンでも300円、400円は当たり前の時代。ラーメン店は「1000円の壁」と戦う時代だ。その中でどうやって100円でラーメンを提供しているのか。
現在「100圓ラーメン」は平日は一日100杯、土日は200杯のラーメンを提供している。単純計算で平日は売り上げは一日1万円、土日で一日2万円となる。これでやっていけるのか。
「原価はもちろん100円以下になるように設定しています。『100圓ラーメン』はボランティア事業ではありません。持続可能な形でずっと続けていくことができる形を模索し作り上げたものです」(青木さん)
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