新宿駅、自由通路で変化「大ターミナル」の東西軸 将来は西武新宿とも乗り換えが便利になりそう

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西武鉄道が高田馬場から新宿への乗り入れを目指し、西武新宿駅を建設、開業させたのは1952年3月25日だった。もともとは、現在のルミネエスト新宿付近に駅を設ける計画であったが、新宿駅東口駅ビル建設計画との兼ね合いから、いったん仮駅を新宿大ガードの脇、靖国通りに面したところに設けた。しかし、国鉄新宿駅乗り入れ計画は頓挫。仮駅をそのまま本設駅とする計画に変えられ、現在、専門店ビル西武新宿PePe(ぺぺ)、新宿プリンスホテルなどが入る駅ビルが建設された。

西武新宿駅
西武新宿駅(筆者撮影)
新宿大ガードと西武新宿ペペ
新宿大ガードと西武新宿ペペ(筆者撮影)

そのため、西武新宿駅と各線の新宿駅との間は離れており、とくにJR駅との間を最短距離で移動しようとすると、線路沿いの地上の道を歩かねばならない。荒天時は地下街「新宿サブナード」を通っての乗り換えもできるが、JR駅方面へは遠回りになる。

そこで西武新宿駅とJR新宿駅東口の間を結ぶ地下道が計画され、「東京都市計画通路・新宿駅北東部地下通路線」の都市計画が2021年11月26日に決定・告示された。総延長約280m、幅員6~18mの地下通路を整備する計画である。

西武新宿駅前の新宿サブナードと、メトロプロムナードとの間は約140mの地下道で結ばれる。西武新宿駅と東京メトロ丸ノ内線新宿駅の乗り換えが、今は約11分かかるところ、約5分に短縮できる。現在、西武新宿線と山手線の乗り換え駅としては隣駅の高田馬場が機能しているが、この通路が完成すると、どう変わるだろうか。

西口側のチケットショップはどうなった?

一方、JRの線路を挟んで反対側にある思い出横丁は、昔ながらの飲み屋街の面影を残すところとして人気があるエリア。安価な飲食店がところ狭しと軒を連ねており、日が暮れると仕事帰りの人たちでにぎわう。

表通り側の目立つところにはチケットショップが並んでいる。この一角が最近、存亡の危機にさらされた。基本的に回数券など割安なチケット類を仕入れ、それを正規料金より安くバラ売りして利ざやを稼ぐ商売であるが、航空各社に続いてJR各社がポイント制度やインターネット予約割引の導入に伴い、ここ2、3年の間に紙の回数券を軒並み廃止したからだ。

思い出横丁の脇を通り抜ける山手線
思い出横丁の脇を通り抜ける山手線(筆者撮影)

売れ筋であった東海道新幹線などのきっぷを失い、どうなるかと思っていたが、各社の株主優待券やコンサート、スポーツイベントのチケットなどの買い取り、販売中心に転じた様子が、店頭のPOP広告からうかがえた。店の数自体は、それほど大きくは変わっていないように思える。新橋や神田と並ぶチケットショップ街は、今のところは健在であるが、今後どうなるだろうか。

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土屋 武之 鉄道ジャーナリスト

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つちや たけゆき / Takeyuki Tsuchiya

1965年生まれ。『鉄道ジャーナル』のルポを毎号担当。震災被害を受けた鉄道の取材も精力的に行う。著書に『鉄道の未来予想図』『きっぷのルール ハンドブック』など。

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