「男の気持ちにもなって」成婚できない彼のぼやき デート代・食事代を払うも「交際終了」で水の泡

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婚活をスタートさせ、いくつか見合いをしたものの、「ピンとくる人がいない」と言う。そこで私は、「自然に出会っての恋愛結婚と婚活での結婚は、性質が違うんですよ」と伝えた。

「自然に出会って恋愛結婚するときには、好きという気持ちができあがって恋人になり、そこから結婚という気持ちができあがって結婚をしていく。“気持ち先行型”なんですね。でも、婚活での結婚は、お互いのことを知らなかった2人が1時間程度のお見合いをして、交際をスタートさせる。スタートさせた時点で、まだ気持ちができあがっていないのに、結婚が灯るんです。婚活で結婚していくためには、交際に入ったら気持ちを育てていかないといけないのですよ」

生活圏内で大恋愛するときは何か突発事故のようなもので、そこにドラマがあったりする。女性はそこで感情が揺さぶられると、一気に恋に落ちてしまう。モテる男というのはそれを知っていて、ドラマを作るのが上手なのだが、婚活市場にいる多くの男性はそれが最も不得手だ。

そのこともさよこに伝えた。

「だからフラットな気持ちで相手にお会いして、交際に入ったらご自身の気持ちを育てていくようにしてみましょうね」

結婚を前提にした交際が始まった

こうして、いくつかの見合いを進めていくうちに、せいじ(36歳、仮名)と交際に入った。せいじは毎日LINEをよこし、週末はデートに誘い、順調に交際は進んでいき、出会ってから1カ月半で、結婚を前提にした真剣交際へと進んだ。

そして、お見合いから3カ月になろうとしていた頃、デートの別れ際に、せいじからこんな提案をされた。

「僕は相談室から、『お見合いから、3カ月くらいで結婚を決めてください』と言われています。僕らもそろそろ結婚を考えませんか?」

そのデートを終えた後で、さよこは私に連絡を入れてきた。

「そう言われたんですけど、相談室から言われているから結婚をするって、私の気持ちを無視していませんか? 私自身、彼と結婚するというところまで、まだ気持ちが育っていません。悪い人ではない、嫌いではないけど、もう少し時間をかけて彼を見ていきたい」

そこで、私はせいじの相談室に連絡を入れた。

「結婚したいという気持ちはあるようなのですが、まだ時期尚早のようです。もう少し、彼女の気持ちが育っていくのを待っていただけませんか?」

すると、相談室の仲人は言った。

「わかりました。今ここで無理に進めてもいい結果にはならないと思うので、女性の気持ちが結婚に舵が切れるようになるまで、待つように男性には伝えます」

そこから、また2人は週末にデートを重ねていたようだった。そこから3週間が経った頃、私はさよこに交際の進捗を尋ねた。すると彼女は言った。

「せいじさんが私のわがままを聞いて、待ってくださっていることにとても感謝をしています。せいじさんは、私の中でどんどん大切な存在になってきています」

次ページところが、その2日後…
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