週刊東洋経済 最新号を読む(5/23号)
東洋経済オンラインとは
ビジネス

サイダーの値段「ラムネの10倍だった」意外な歴史 中身の本質的な違いはなかったのに何故??

6分で読める

INDEX

ラムネとサイダーの売れ行きに違いがでた理由とは?(写真: チリーズ /PIXTA)

日本の夏の風物詩でもあるサイダー。実はもともとイギリスにおいて「シャンペンサイダー」と呼ばれていた飲料です。日本でいつのまにかシャンペンが省略され、「サイダー」となったのです。

立石勝規著『なぜ三ツ矢サイダーは生き残れたのか』によると、日本最古のサイダーの記録は、1884(明治17)年以前にイギリス人経営のノース&レー商会が販売していた清涼飲料「シャンペンサイダー」。お得意先は日本に寄港したイギリス東洋艦隊だったそうです。

1892年のイギリスの料理百科事典、Theodore Francis Garrett著『THE ENCYCLOPAEDIA OF PRACTICAL COOKERY』第2巻によると、イギリスのシャンペンサイダーとは、リンゴと洋梨のエッセンスにカラメルで色付けしたレモネードシロップのこと。

(『THE ENCYCLOPAEDIA OF PRACTICAL COOKERY』第2巻のChampagne Cider)

シャンペンサイダーとは、このイギリスの「シャンペンサイダー」という名のレモネードシロップを使った清涼飲料だったのです(ノース&レー商会のシャンペンサイダーはアメリカ産のリンゴエッセンスとイギリス産のパイナップルエッセンスを使用)。

そしてそもそもレモネードシロップとは何かというと、生のレモンを使った本物のレモネードのかわりに、水や炭酸水に溶かして即席レモネードを作るシロップのこと(1894年のイギリスの料理書、Lizzie Heritage著『CASSELL'S NEW UNIVERSAL COOKERY BOOK』より)。

ラムネの10倍という高額商品だったサイダー

日本のラムネは香料を炭酸水に溶かした即席レモネードのことですから、ラムネとサイダーはもともと同じ由来(即席レモネード)を持つ清涼飲料だったのです。

三ツ矢シャンペンサイダーの製造販売元であった朝日麦酒(現アサヒビール)元社長山本為三郎によると、1907年発売当初の三ツ矢シャンペンサイダーの値段は、ラムネの約10倍というとんでもない高値でした。

次ページが続きます:
【どうして差が出たのか?】

2/4 PAGES
3/4 PAGES
4/4 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象