今年2月、前月にブレグジットを名実ともに完了した英国が環太平洋経済連携協定(TPP)への加盟を正式に申請した。5月には、英国海軍最大級の空母「クイーン・エリザベス」を中心とする空母打撃群のインド・太平洋地域への派遣を開始している。南シナ海を通過して日本にも寄港予定だ。先日の主要7カ国首脳会議(G7)では、米国と「新大西洋憲章」構想をぶち上げた。
こうした英国の動きの背景に、中国を牽制する思惑があることは間違いなく、中国との摩擦が日に日に強まっている日本ではこれを歓迎する声が多く聞かれる。
中には、1902年の「日英同盟」の復活を期待する人もいる。初の同盟国であったことに加えて、ともに皇室(王室)を持つ島国であることなどからも、英国に好意的な感情を抱く日本人は多い。その英国が再び味方に加わるというのだから、日本人にとって英国の動きは善行に見えるかもしれない。
自らの国益のための行動
しかし、英国の動きの理由を「善意」と捉えるのは大きな間違いだ。彼らは自らの国益を増進させると判断したからこそ行動しているにすぎない。中国の脅威にともに立ち向かってくれるお助けマンなどでは決してない。
そもそも英国を「善」といえるかも大いに疑問だ。世界史をひもとけば大英帝国の非情な振る舞いはいくらでも見つけられる。カナダやオーストラリアなどが加盟する英連邦(コモンウェルス)を通じて民主主義や人権の旗振りをしているが、英連邦自体が植民地主義の名残にすぎない。
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