リーマンショックと新型コロナウイルス危機は、多くの点で異なる。その1つが経済的影響の男女格差だ。
米労働統計局によると、4月の失業率は14.7%だった。内訳を見ると、成人男性13.0%に対し、成人女性は15.5%だ。非農業部門の雇用者数は前月比2050万人減で、その55%を女性が占めている。
リーマンショックでは、製造業や建設業、金融業など、男性の雇用が大打撃を受けたため、リセッション(景気後退)に引っかけ、「マンセッション」(男性の不況)と呼ばれた。だが、今回は違う。ソーシャルディスタンシング(社会的距離の確保)の措置で甚大な影響を受けたホテルなどのレジャー業、レストラン・バーなどの飲食業、アパレルをはじめとする小売業での雇用は、圧倒的に女性が多い。今回のコロナ危機が「シーセッション」(彼女の不況)と呼ばれるゆえんである。
米主要メディアの要職を歴任し、ベストセラー『#MeToo時代の新しい働き方 女性がオフィスで輝くための12カ条』(文藝春秋)の著者としても知られるジョアン・リップマン氏は5月14日、米CNBCに出演し「シーセッション」に言及。「失われた女性の雇用は簡単には戻らない」と、長期的影響の可能性を指摘した。前出のレジャーや飲食といった業界で働く女性に、人種的マイノリティーが多いことにもリップマン氏は懸念を示す。
ダイバーシティーに逆風
ひるがえって危機前の米国では空前の人手不足により、労働人口に占める女性の割合が今年初めて男性を上回った。だが、失業率の上昇とともに、女性は労働市場からはじき出されやすくなる。「これまでのダイバーシティー(多様性)への取り組みが水泡に帰してしまう」と、リップマン氏は警鐘を鳴らす。
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