アウトランダー&ノート「電動4駆」のスゴみ! 悪路&氷上ドライブで見た実力の高さと楽しさ
グイグイ加速するというより、ビュンビュン加速するという表現が似合うような豪快さがある。最高出力は100kWと先代モデルの75kWから大幅アップし、モーターユニットも軽量コンパクトなものとした。
開発担当者は「フロントモーター(の最大出力)も先代の60kWから85kWに拡大しているが、一般的な(FF:前輪駆動車をベースとした)電動4輪駆動車では、モーター出力はフロントがリアより大きい」として、三菱らしい走り味を目的とするシステム設定を強調した。
リアモーターの存在のみならず、新型アウトランダーPHEVは「ほぼEV」というシステム設計になっているのが特長だ。
走行中にエンジンがかかっても、発電機として作動するシリーズ走行モードとなることがほとんどで、モーターがエンジンをアシストするパラレル走行モードになるのは時速100kmを超える高速走行時や、時速60km~70km以上でアクセルを強く踏み込んでの加速時に限られる。
三菱らしい走り味とは?
三菱らしい走り味について、三菱が公開したコーナーリングのイメージ図が実に興味深い。
走行ラインを見てみると、一般的な未舗装路や雪道などでは、コーナー進入時は十分に減速してコーナーの内側について、じっくりと定常旋回をしてから徐々に加速するという慎重な運転を基本としている。
一方、三菱らしい走りのイメージ図では、クルマ全体の向きがコーナー進入時の早めにコーナー出口に向かって変わっていて、コーナーリング中もそうした動きを維持するように描かれている。いうなれば、ドリフト走行をしているようなイメージだ。
こうしたイメージ図を事前にオンライン配信された資料で観ていたので、実際の走行で試してみた。
すると、たしかにアクセル操作によって、リアが積極的にコーナー内側に回り込もうとする。それを新開発の車体と柔軟に動くサスペンションがしっかり捉えるので、無駄なリアスライドは起こらないし、スライドした後のクルマ全体の動きの収まりも速く、次のコーナーに対してクルマの姿勢が早めに安定するので、ドライバーとして気持ちの余裕が生まれる。
次いで、MUDモードをセレクトして、半径の小さい登りコーナーをハイペースで一気に駆け上がってみた。
現地には、筆者とは旧知で、パリ・ダカールラリー優勝など輝かしい実績を誇り、現在は三菱自動車で開発・実験部隊の人材育成や車両開発への助言を行う立場にある、増岡浩氏がいた。
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