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カゴメとNECが共創で進める「変革への第1歩」 構想から運用までをリードするNECのDX

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市場の変化や技術の進歩が著しく、現代は先の読めない時代といわれる。さらにCOVID-19によりその傾向が進み、“DX=デジタルによる企業変革”の必要性は一層高まっている。そんななか、デジタルを活用した変革の一歩を踏み出した企業がある。野菜飲料、トマトケチャップなどを手掛ける大手食品メーカー・カゴメだ。そして、それを強力に後押しする存在が、NECである。

「会社をどう変えたいか」
全社員から人材を募った

電気機器事業やインターネット事業などを手掛けるNECだが、同社自身も変革の真っただ中にある。今年5月に発表した2025年中期経営計画では、成長事業の1つとして、顧客企業のDXを支援する「コアDX事業」を挙げた。2020年度に1410億円だった事業売上を、2025年度には約4倍の5700億円まで拡大することを目指す。

顧客企業のDX支援にむけ、すでにDXの構想策定や実装を担う社内の戦略コンサルタントを約200名体制に強化しており、近年中にはさらに倍増する予定だ。またグローバルを含め現在約5000名いる社内のテクノロジー人材も、DX人材育成プログラムの整備や、社内人材のデジタルシフトの実践などにより、2025年までに少なくとも1万人体制に拡大するという。

では、実際にどのように顧客企業のDXを支援しているのか。NECとの共創でDXを進める、カゴメの事例を取り上げる。

カゴメは2016年に『トマトの会社から、野菜の会社に』という変革スローガンを掲げ、野菜のおいしさや栄養価値を活かした商品や健康づくりに役立つ情報を通じて、「健康寿命の延伸」や「農業振興・地方創生」といった社会課題の解決に取り組んでいる。

カゴメで情報システム部長としてDXを担う秦誠氏は、こう話す。

カゴメ
情報システム部長
秦 誠 

「DXを進めるにあたって、まずは社内の古いレガシーシステムの刷新に注力し、それをおおかた終えた2020年から、デジタルを活用した新事業の“タネ”を探す活動がスタートしました。

そんな中、2021年より支援をお願いしたのが、NECさんです。

NECを選んだ理由は、まずは技術力の高さです。DXを推進していくうえで、デジタル技術は必須です。当社がやりたいこととNECの技術が組み合わさることで、革新的な事業が生まれるのではと考えました。もう1つは、ご提案いただいた『新事業のタネを生み出していくプロセス』が、非常にユニークだった点です」(秦氏)

DXプロジェクトを始めるにあたり、カゴメではまず営業マンや工場の工員など現場の人員を含めた全社員に呼びかけ、DXを通して会社を変えたいという強い思いを抱く人を募った。ただ、「思い」を持ったメンバーを集めることはできたが、「どう新事業の形にしていいか分からない」という課題があった。そこに、参画したのがNECである。

プロジェクトにおいて従来と異なる視点で事業機会のアイデアを導き出すNEC独自のフレームワークを活用し、プランを徹底的にブラッシュアップしていくセッションを行った。

「NECさんには、まずは多様な意見を引き出し、それをとりまとめてもう一度メンバーに投げ返し、対話を重ねながらさらにブラッシュアップしていくというワークを何度も行っていただきました。そうしてようやく20個ほどのアイデアに絞られ、その中からとびきりいいものを、ビジネスとして展開できるよう肉付けする作業に入っていきました」(秦氏)

NEC自身がDXを実践し、効果を体感。
その知見を企業に提供していく

こうしたセッションの狙いについて、プロジェクトを担当するNEC DX戦略コンサルティング事業部 エグゼクティブコンサルタントリード・棈木琢己氏はこう話す。

NEC
DX戦略コンサルティング事業部 エグゼクティブコンサルタントリード
棈木琢己

「従来型のコンサルタントとお客さまの関係ではなく、アイデアや考え方をこちらで整理しながらお客さまと“伴走”する形を目指しています。状況が目まぐるしく変化する時代にあっては、対話をしながら、その時々の最適解を見つけていくことが重要です。もちろん最初は特定の方向を目指すのですが、お客さまと対話し検証した結果、“実は違ったね”とたどり着いたところにこそ、イノベーションがあると考えています」(棈木氏)

こうした工程を経て、同プロジェクトは現在、新事業の領域がほぼ定まり、“タネ”にすべくブラッシュアップしているという。また、新事業を事業化するにあたっての実装・実践、そして運用・アップデートといった段階においても、NECには大きな強みがある。

「当社にはシステムの開発・運用・保守サービスに関する実績・人材・ノウハウもしっかり整っていますので、End to Endのご支援が可能です。したがって、途中で状況が変化しても、しなやかに対応できます。

そしてもうひとつ大きいのが、当社自身が全社レベルでのDXを実践している点です。戦略検討はもちろんのこと、ITインフラを構築するという何より大変なタスクも試行錯誤しながら実践していますので、その知見をお客さまにそのままご提供できます」(棈木氏)。

もともとNECは、顔認証(※1)や虹彩認証(※2)、指紋認証(※3)など生体認証技術で世界No.1を獲得するなど、テクノロジーの分野では大きなアドバンテージがある。それらを含めたAI・生体認証・クラウド・セキュリティ・ネットワークというDXのコアアセットを、グローバル共通のプラットフォームに集約し、顧客に速やかにサービス提供できる環境も整えている。
※1 2009年以来、米国国立標準技術研究所(NIST)による顔認証ベンチマークテストで第1位を獲得
※2 米国国立標準技術研究所(NIST)による虹彩認証技術ベンチマークテストで第1位を獲得
※3 米国国立標準技術研究所(NIST)による指紋認証技術ベンチマークテストで第1位を獲得
(NISTによる評価結果は米国政府による特定のシステム、製品、サービス、企業を推奨するものではありません)

また「DX人材の不足」という多くの企業が直面するDX課題に対しては、NEC自身で実践したAI・クラウド・セキュリティ・デザイン思考などに関する人材育成ノウハウを集結し、顧客のDX人材育成をワンストップで支援する「NECアカデミーfor DX」のサービスを提供している。

カゴメが推し進めるDXの今後の展望について、秦氏はこう言う。

「いかに変革を行っても、最終的に売上・利益につながらなければ意味がありません。こうして生まれたすばらしい“タネ”を、NECさんとともにしっかり“実り”に変えていきたいと思っています」(秦氏)

NECとの共創で着実にDXを進めるカゴメがどんな“収穫”を得るのか、そしてNECのコアDX事業が今後どんな成果を生み出していくのか、注目していきたい。
⇒【2人の対談セッションはこちら】12月3日開催「NEC DX Day - Together with Digital Experience -」

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