NECは「DXの実践と深化」を、ここまで徹底する

森田隆之社長、吉崎敏文常務が対談

NECでは今年5月に発表した2025中期経営計画において、「コアDX事業」を成長事業の1つとして位置付けている。COVID-19により私たちの働き方が大きく変化していく中で、今大きな注目を集めるDXだが、NECは「コアDX事業」で具体的にどのような取り組みを進めようとしているのか。同社代表取締役執行役員社長兼CEOである森田隆之氏と、NECのDX事業の中核を担う同執行役員常務の吉崎敏文氏が語り合った。

企業のDX実現に寄与するため
コンサルティング体制を大幅拡充

NEC
代表取締役執行役員社長兼CEO
森田隆之

森田 私たちは今、NECのDXとして、お客様のDX=コアDX、社内のDX=コーポレート・トランスフォーメーション、社会のDX=フラッグシッププロジェクトという3つの柱を掲げています。

中でもコアDXでは、お客様にDXを「売る」のではなく、お客様と一緒に「組む」こと。いわば、お客様の成長に貢献しながら、共に歩んでいく”ロングジャーニー”のパートナーでありたいと考えています。

では、そんな私たちのコアDXの強みとは何か。

NECは、経済産業省と東京証券取引所が選定する「DX銘柄2021」および「デジタル×コロナ対策企業(レジリエンス部門)」に選定されている。 (出典:経済産業省

上流のコンサルティングから、システムの開発・運用・保守サービスといった実装までをEnd to Endで提供できるということ。そして、全社横軸組織であるデジタルビジネスプラットフォームユニットを中核として、競争力の高い社内のノウハウや知見を集約し、私たち自身がDXを実践し効果を体感しながら、お客様に最適なDXビジネスを提案できること。さらに、クラウド、データセンター、オンプレミスといったIT環境を組み合わせ、ハイブリッドITとしてシームレスにお客様に提供できることにあります。

それと同時に、私たちはマイクロソフト、AWS(Amazon Web Services, Inc.)などのパートナーとも戦略的に提携することでグローバルにお客様にイノベーティブなサービスを提供していきます。

こうした強みを活かすことで、2025年度までにコアDX事業で4倍となる売上高5,700億円へ事業拡大を目指していきたいと考えています。

吉崎 そのためにも、私はDX推進のリーダーとしてビジネスとテクノロジーの両面からコアDXを全社で推進していきたいと思っています。

DX推進に必要な軸は「ビジネスプロセス」「テクノロジー」「組織・人材」の3つだと考えています。ビジネスプロセスにおいてはDXの目的を明確化し、お客様の課題を上流から実装・運用までEnd to Endでご支援(オーガナイズ)します。そのための戦略コンサルタント体制を強化してきました。

コアDX事業における3つの取り組み「ビジネスプロセス」「テクノロジー」「組織・人材」

またテクノロジーにおいては、これから必要不可欠となるAI、生体認証、クラウド、セキュリティ、ネットワークといったコアアセットをグローバル共通のプラットフォーム上に集約し、スピーディにお客様にサービス提供できる環境を整えていきます。

これらのテクノロジーを活用するためにも私たちは現在、約5千人のDX人材を擁しており、最新のデジタルスキルを吸収しています。こうしたDX人材の強化のため、かつてのプログラマーをデータサイエンティストに転換するようなチャレンジを進めているのです。これからもさらに多くのDX人材を育成し、お客様のDXをサポートしていきたいと考えています。

森田 私たちを取り巻く事業環境はCOVID-19により大きく変化しており、リモートワークであっても生産性を向上するような新たな働き方が必要です。このためには、単に活用するテクノロジーを変えるだけでなく、考え方やルール、慣習までをも変えていく必要があります。

またイノベーションは1人で生み出すことはできません。これからはデジタル上で共創しながら、どのようにイノベーションを生み出していくかが重要となります。

いわば、DXによっていかに共創可能な”デジタルワークスペース”を実現していくかが企業の競争力のカギとなるのです。その実現のためにも、創造力を生み出す新しい働き方を検討し、リモートが当たり前の時代の制度やルールを素早く創っていく。社員一人一人が最大限のパフォーマンスを発揮できる環境を整えることが重要であると考えています。

企業が抱える課題「DX人材不足」を
NECはどのように解決するのか

吉崎 現在、DXを推進するうえで大きな課題となっているのが、DX人材の不足です。海外ではお客様企業の社内エンジニアの割合が7割であるのに対し、日本は3割程度と少ない実態があります。そのような中、なかなか新しいことに人材を振り向けられないお客様企業にとっては、その解決策として、社員のリスキルが重要となります。そうしたお客様を支援するために、「NECは何かできるか? まずは、我々がリスキルしよう」と考えました。

私どものデジタルビジネスプラットフォームユニットではこの3年余りで既存エンジニアの40%ほどをDX人材に転換(リスキル)することに成功しました。中でも、上流を担う戦略コンサルタントを社内で育成できたことは大きな成果であると捉えています。事実、コンサルティング部門は今年度200人体制となりました。社外の人材を様々な会社から採用する一方、3割は社内エンジニアから転換しています。戦略コンサルタントの採用や育成にあたっては、IT実装の経験を重視し、お客様の課題解決まで共に実践していける人材を育て、組織化しています。また社外から採用した人材のノウハウやベストプラクティスを活用して、NEC独自のメソドロジーを作っています。これらはコンサルファームとは違うNECのコンサルティングの特徴です。こうした我々の経験やノウハウがお客様に提供できる生きた教材になると思っています。

こうしてNEC自身が実践したAI、クラウド、セキュリティ、デザイン思考などの領域における人材育成ノウハウを集結し、お客様のDX人材育成をワンストップで支援する「NECアカデミーfor DX」サービスをご提供しています。まさにNECの知見を集約したメソッドをお客様にもご提供していくことで、日本のDX人材の拡大に貢献していきたいと考えています。

森田 NECとしての大きな強みは、創業から120年に及ぶR&Dの蓄積があることです。

私たちは重要な社会インフラを始め、多くの難易度の高いプロジェクトに果敢にチャレンジしてきました。どんなトラブルがあっても途中で投げ出さない。最後まで責任をもって問題を解決していく姿勢をこれまで貫いてきました。

こうした高い技術力と合わせ、上流の戦略コンサルタントを始めとしたDX人材を育成していくことで、DXにおける「実装力」をさらに高めていきたいと考えています。

NEC
執行役員常務
吉崎敏文

吉崎 私たちのDX事業では、戦略コンサルタントの強化を進めていますが、ここでこだわっているのは、実装経験を持つ戦略コンサルタントを増やすことです。お客様のDXを支援する上では、日本の複雑怪奇なシステムに対応していくことが必須であり、そのためには、実装の経験が欠かせないからです。

また、私たちのR&D力を再定義することで、AI、生体認証、クラウド、セキュリティなど最新のテクノロジーと合わせ、新たなアーキテクチャとして再構築していく方針です。

さらに世界に広がるNECの優秀な人材をDX向けのプロフェッショナル人材に進化させていくことで、現在の5千人のDX人材を2025年度までに少なくともグローバルで1万人の体制にまで拡大していきたいと考えています。

社会価値創造型企業として
NECが歩む道

森田 なぜお客様は私たちNECを選んでくれるのか。それは私たちがより良い社会を実現したいというグッドウィルを持っているからだと考えています。

こうした私たちの姿を、DXという新たなデジタルソリューションの側面から社会に示していきます。私たちはこれからも「社会価値創造型企業」として、安心で信頼感のあるソリューションをお客様に提供していきたいと思っています。

吉崎 全世界でグローバル化、デジタル化が進む中でNEC自身のノウハウや技術力を知見としてお客様に提供し、End to Endでお客様自身のDXをご支援したいと考えています。

そして、「社会価値創造型企業」としてこれからもお客様、そして社会に貢献していきたいと思っています。
⇒【12月3日開催】NEC DX Day - Together with Digital Experience -

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