「デジタル化」「新しい日常」と教育現場 「1人1台端末」環境の課題と処方箋は

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OECDが発表した「図表でみる教育2020年版OECDインディケータ(Education at a Glance 2020 OECD Indicators)」を見ると、2017年の対GDP比の教育機関向け公的支出で、日本がOECD 加盟国の中で下から2番目だったことが示されている。一方、菅総理は就任記者会見でGIGAスクール構想を強力に進めていくと述べ、デジタル改革関係閣僚会議でもデジタル化の利便性を実感できる社会をつくっていく、というデジタル化を推進する中で教育の規制緩和にも触れた。また、安倍前首相が設置した教育再生実行会議を菅内閣でも存続していくことが決まった。教育現場でのICT活用、少人数教育など、議論すべきテーマは少なくない。

オンラインと対面のハイブリッド化の実現を

「図表でみる教育2020年版OECDインディケータ」で、初等教育から高等教育までの教育機関向け公的支出の対GDP比のデータを見ると、OECD平均は4.1%。日本は2.9%で下から2番目だった。上位にはトップのノルウェー(6.4%)をはじめ、コスタリカ、デンマーク、アイスランドが名を連ねている。また、現在、大きなテーマとなっている少人数教育という文脈で見ると、日本の中学校1クラス当たりの生徒数32人という数字はOECD 平均の 23人を大きく上回っていることがわかる。

少人数教育については、存続が決まった教育再生実行会議でも論点の1つとなっている。初等中等教育ワーキング・グループでは、学校での密を回避するため、GIGAスクール構想を効果的に実現するため、個別最適な学びを実現するうえで教師の目が行き届くようにするため、などさまざまな文脈から少人数教育の必要性が挙げられている。

多様性が増す児童生徒へのきめ細かな対応を実現するうえでも、OECD並みの教員と教室の確保、財政支出の必要性にも言及されている。また、それぞれの施策について導入前と実施後のデータ検証の重要性も指摘。オンライン指導が有効な場面ではデジタル教科書の積極的な活用も提案されている。

ICT活用によるオンラインと対面のハイブリッド化による、協働的な学び、個別最適化の学びの実現も、ワーキング・グループの論点の1つだ。経済産業省から提出された資料「経済産業省『未来の教室』プロジェクト –教育イノベーション政策の現在地点–」では、「1人1台端末」の先進事例をつくる経済産業省の「未来の教室」実証事業、「1人1台端末」環境をつくる文部科学省のGIGAスクール構想に加え、先進事例を普及させる、経済産業省の「EdTech」導入補助金制度による、改革のプロセスを示している。

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