10年以内に「日本国民全員を踊らせる」男の告白 「SHOE DOG」に唸るダンス界の革命児FISHBOY

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フィル・ナイトによる自伝『SHOE DOG(シュー・ドッグ)』に自身を重ね合わせ興奮したというFISHBOYに話を聞きました(写真:ワタナベエンターテインメント)  
ヒット曲『PERFECT HUMAN』で知られるRADIO FISHのメンバーとして活躍するダンサーのFISHBOYは、「全国民ダンサー化計画」という壮大なミッションを掲げ、日本にダンス文化を創出するため数々の企画を展開するアイデアマンだ。
「ナイキの創業者フィル・ナイトが、シューズとともにランニングという価値観を広めた過程は、今後のダンス界にも通ずるところがあります」
ダンスに熱狂し、アンダーグラウンドの世界から日本のダンス界に道を拓いてきたFISHBOYは、フィル・ナイトによる自伝『SHOE DOG(シュードッグ)』に自身を重ね合わせ興奮したという。話を聞いた。

ダンスをランニングと同じ「文化」に

ダンサーが身に着けるものはたくさんありますが、とりわけ重要なものが、靴です。ファッション性と機能性を考えて、つねに探しています。でもダンサーって、意外と靴について深く知らないんですよね。そこで、靴の中でも愛されているナイキの歴史について掘ってみようと考え、『SHOE DOG(シュードッグ)』を手に取りました。

「SHOE DOG」特設サイトはこちら(BS1スペシャル「ナイキを育てた男たち〜“SHOE DOG”とニッポン〜」がNHKBS1にて、7月30日(木)午前1:10~2:00(7月29日水曜深夜)より再放送されます)

読んでみると、僕自身と重なる部分があって引き込まれました。とくに、ビル・バウワーマンのエピソードには共感しました。まだ世の中にランニングというものが認知されていない時代に、「ランニングは楽しい」「ランニングはメリットがある」という価値観を人々に浸透させながらシューズを提供した。そして、ランニングをアメリカ人の趣味にまでしたわけです。

僕は、いまダンスの分野で同じような壁に挑戦しています。ダンスはどうしても「若い子がするもの」というイメージがあって、なかなか大人たちが入ってきてくれません。ですが、実際に社会を動かしているのはその世代の大人たち。彼らが踊ってくれることで起きる変化はとても大きいです。彼らの踊りに対しての抵抗感や偏見を変えて、みんなが踊るような文化ができないかと考えているんです。

本書を読みながら「そうか、ランニングはこういう軌跡をたどってきたのか。それならダンスだって変えていくことは可能なんだ」と励みになりました。「こんなふうに価値観を変えられて、世の中を変えられたらいいな」と勇気をもらったんです。

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