貨幣という「資本主義最大のミステリー」に挑む

「欲望」の時代の「哲学と資本主義」の謎を探る

「欲望の時代」の哲学と資本主義を語るマルクス・ガブリエル(写真:NHK)  
「欲望が欲望を生みだす資本主義の先に何があるのか」
暗号資産(仮想通貨)が生まれ、キャッシュレス化が進む現象を捉え、資本主義の基本を成す貨幣に着目した異色のNHK経済教養ドキュメント「欲望の資本主義 特別編 欲望の貨幣論2019」が、『岩井克人「欲望の貨幣論」を語る 「欲望の資本主義」特別編』として書籍化された。
欲望の資本主義3:偽りの個人主義を越えて』では、ハイエクに焦点を当てたが、今回の『岩井克人「欲望の貨幣論」を語る』では、『貨幣論』や『会社はこれからどうなるのか』など、正統的な近代経済学の枠組みにとどまらず、さまざまな問いかけ、考察をしてきた日本を代表する経済学者である岩井克人氏が登場し、貨幣の本質に迫っている。
「欲望」をキーワードとして、資本主義のみならず、「民主主義」「哲学」などさまざまなアプローチで番組を企画してきたNHKエンタープライズ番組開発エグゼクティブ・プロデューサーの丸山俊一氏にその意図を聞いた。

「欲望の時代の哲学2020」で問われるもの

――哲学者マルクス・ガブリエルさんの新シリーズが始まりますね。

『岩井克人「欲望の貨幣論」を語る』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

丸山:そうですね、前回は「欲望の資本主義2019」での鋭いGAFA批判などが印象に残っていますが、この制作チームでの映像取材はおよそ1年ぶりです。

――今回も、哲学の枠組みからはみ出したお話がたくさん出てくるのでしょうか?

丸山:彼とこの制作チームとの縁は、純粋に「哲学」をテーマとする番組企画ではなく、現実の「民主主義」「資本主義」のあり方について見解を求めることから始まりました。

2017年4月のNHKBS1スペシャル「欲望の民主主義~世界の景色が変わる時~」、そして「欲望の資本主義2018~闇の力が目覚める時~」は、それぞれ実際に社会で進行する分断、拡大する格差についてインタビューし、意見を求めたのが始まりです。その明快にしてフラットな言葉が、多くの視聴者、読者の方々に届き、大きな反響をいただき、こうしたシリーズとして今につながっています。

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