スズキ新型スペーシアで王者N-BOXに挑戦状 最新安全装備と広い室内空間でホンダに対抗

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「スペーシア カスタム」は、大型のメッキグリルで押し出し感のあるデザインが特徴だ(撮影:尾形文繁)

月間販売目標は1万2000台。デザインコンセプトはスーツケースで、ボディ外周に入れられたへこみなどが特徴だ。価格は標準タイプの「スペーシア」が133万3800円から。競合するホンダのN-BOXは138万5640円からで、スペーシアが5万円ほど安い。大型のメッキグリルで迫力あるフロントマスクにした「スペーシア カスタム」は157万6800円からだ。

ハイトワゴン市場は、その名のとおりとにかく高い車高が特徴で、車高は1700ミリ以上が基本だ。一般的に車高を高くしようとすれば、重量が重くなり、空気抵抗も受けやすいため、燃費が犠牲になりやすい。だが、子どもが立ったまま着替えられるなど、軽自動車とは思えない広い室内空間が人気で、ファミリー層を中心に需要が広がっている。

軽全体に占めるボディタイプ別の比率を見ると、ハイトワゴンは2011年に2割だったが、2017年(1~9月)には約4割にまで拡大。「ワゴンR」などが属するワゴン市場を抜いて、今や主力市場はハイトワゴンだ。

「N-BOX」は新車全体でも日本一に

ホンダの「N-BOX」。軽自動車のハイトワゴン市場では圧倒的な強さを見せる(撮影:尾形文繁)

ただ、この市場の主役は軽が本業のスズキではない。圧倒するのが2011年に軽に力を入れ始めたホンダのN-BOXだ。2015、2016年度と2年連続で軽の販売台数首位の座を守り、2017年上半期(1~6月)の累計ではモデル末期にもかかわらず、軽を含めた新車全体でもトヨタ自動車のHV(ハイブリッド車)「プリウス」を抜いて日本一に輝いた。

スズキも2016年12月にフロントデザインを力強くした「スペーシア カスタムZ」を追加。女性や家族向きの車という印象が強い中、男性に押しの強い見た目が受け入れられ、2017年上半期のスペーシアは前年同期比36.9%増の5万7000台余りと大きく伸びた。だが、同じくモデル末期のN-BOXは同10.7%増の10万6000台余りとケタが違う。

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