社員と役員の年収格差「東京都トップ500社」 1位すかいらーく89倍!10倍超は64社

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トップはあの外食大手です(撮影:猪澤 顕明)

欧米では高額な役員報酬が社会的な問題として指摘されるが、日本企業でも近年は役員報酬が高額化している。東京商工リサーチによれば、2016年3月期決算企業で役員報酬1億円以上を受け取った役員は414人(昨年は413人)と過去最多に上った。

東洋経済オンラインは、上場企業の役員報酬の平均額と従業員の平均賃金の格差に注目。地域ごとの傾向も併せて計るうえで、本社所在地で見て全国7地域別(北海道・東北、東京除く関東、東京、中部、近畿、中国四国、九州沖縄)のランキングを作成した。まずは東京都に本社を置く企業のうち、年収格差の大きい上位500社のランキングを公表する。

倍率で表した「年収格差」は役員が従業員の何倍の年収を得ているかを示した。直近の有価証券報告書(2015年6月期~2016年5月期)を基に、東洋経済が独自に算出した「平均役員報酬」を、単独従業員の平均年収で割って算出した。

役員平均報酬は社内取締役と執行役の平均額で、監査役や社外取締役の報酬額は含んでいない。定額部分と業績連動部分、退職慰労金の全てを合算した金額を用いている。単年度の報酬額から算出しているので、在任期間が長かった取締役の退任があると退職慰労金の額が膨らむため、例年に比べて平均値が高い会社もある。

お手ごろ価格のファミレス大手、年収格差は約90倍

ランキングのトップは「ガスト」「バーミヤン」などのファミリーレストランを展開する、すかいらーく。本社所在地は23区外の武蔵野市で、平均役員報酬は5億1666万円、従業員との年収格差は89.7倍となった。

すかいらーくは2014年10月に再上場を果たし、業績は堅調だ。2015年12月期も増収増益を達成した。1億円以上の報酬を得ている役員は合わせて3人。取締役会長のラルフ・アルバレス氏はかつてマクドナルドのプレジデント兼COOを勤めた人物で、役員報酬は8億6200万円だった。すかいらーくの役員報酬は、株式に連動する部分が大きいのが特徴。報酬額には取締役に付与した株式の付与時点の株価と、決算期末の株価の終値の差額から算出した見込み額も含まれる。

2位は、PCゲーム「メイプルストーリー」やスマホゲームが人気のネクソン。昨年の年収格差ランキングでも2位だった。1億円以上の報酬を得る役員は3人。従業員との年収格差は62倍だった。代表取締役社長のオーウェン・マホニー氏は総額で7億5300万円の役員報酬を得る。同社も株式報酬比率が多く、マホニー氏の場合、基本報酬と賞与の合計が2億5800万円なのに対し、株式報酬に当たるストックオプション部分は4億9500万円だった。

上位2社のように株式連動型の報酬を導入している会社が増加している。堅調な業績・株価は、従業員の働きによるところも大きいはずだが、従業員の年収の伸びに比べ役員報酬の伸びは大きくなる。株価や業績に応じた報酬というと聞こえはいいが、確実に年収格差は拡大しており、一般社員にとってはやるせなさが残る。

本社所在地が東京都の調査対象企業は合わせて1811社で、10倍以上の年収格差があるのは64社、5倍以上は471社だった。役員平均年収が1億円を超えた会社は23社、都内上場企業の役員平均年収は2688万円だった。 

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