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「基地はPFOSを垂れ流している。公的機関として、このように全国的に関心の高い環境問題に対しては、基地が対応するべき」
2025年3月に福岡県で開かれた関係自治体と自衛隊による話し合いで、福岡県環境保全課の職員が、航空自衛隊・芦屋基地側に詰め寄った。
県北部の芦屋町に所在する芦屋基地内の飲用井戸では、2024年10月、PFASの一種であるPFOSが暫定目標値(当時)を超える濃度で検出された。県や町が周辺を調査した結果、基地周辺の地下水からも高濃度のPFOSを検出。基地が汚染源とみて、基地内の調査などを求めた。
だが、防衛省、自衛隊は基地が汚染源として特定されていないとして、基地内の調査に対しては消極姿勢を維持した。当時の交渉では「基地の飲用井戸から検出されたことについて、防衛省は原因(排出源)の所在までは把握できていない」(九州防衛局)、「『垂れ流し』などの表現は、地域への風評被害に繋がる可能性があるためやめていただきたい」(芦屋基地)と反論するなど、強気の姿勢を崩さなかった。
同様の問題は芦屋基地だけではなく、国内各地の基地周辺で起きているが、原因究明は行き詰まりを見せている。各自治体への情報公開請求で開示された交渉記録からは、自衛隊の硬軟織り交ぜた対応、関係悪化を避けたい自治体側の事情までも垣間見える。
全国の基地周辺で高濃度PFOS
基地周辺の水源での高濃度PFOS問題は、沖縄県では早くから問題が取り沙汰されていたが、全国的に広がったのは23年になってからだ。
同年5月に静岡県の航空自衛隊浜松基地、7月に岐阜県の航空自衛隊岐阜基地で、周辺の河川や地下水に高濃度のPFOSが含まれることが発覚。ほかにも、海上自衛隊下総航空基地(千葉)、航空自衛隊百里基地(茨城)など、全国各地で次々と問題が明るみに出た。
原因として有力視されたのは、基地で保有していた泡消火剤だ。
泡消火剤には性能を高めるためにPFOSが使われることが多く、多くの自衛隊基地に配備されていた。PFOSの有害性が認知される中で徐々に保有量は削減されていたものの、防衛省が廃棄計画を策定した20年2月時点でも、全国に約39万4000㍑のPFOSを含む泡消火剤が保有されていた。指摘されたのは、過去に使用した際などに成分が地下水などに流出、浸透した可能性だ。
防衛省は現在に至るまで、原因はもちろん、汚染源が基地内にあったかも特定されていないとの立場を貫いている。22年には過去に全国の消火設備専用水槽125槽で、暫定目標値の最大17万倍のPFASが検出されたと公表したが、基地周辺の汚染問題との因果関係は不明としている。
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