ニデックの不正会計問題で、子会社がずさんな会計処理を繰り返す体質を、会計監査人の旧PwC京都監査法人が少なくとも10年以上にわたって認識していたことがわかった。ニデックの監査に直接携わった経験もある元PwC京都幹部が取材に応じた。
この元幹部は「ニデックの国内子会社には、毎年のように怪しい会計があったが、監査で見つけたものはその都度修正(減損などを反映)させていたという認識だった」「永守(重信元会長)さんも『正しい会計をやる』と言っていた」と振り返った。その一方で、「業績が悪い会社もどんどん買収する中で、不正(を試みる子会社)があっても仕方がないという変ななれ合いがあった」と語った。
PwC京都は「くみしやすい相手」
ニデックが2025年9月に設置した第三者委員会の調査報告書では、棚卸し資産の評価損の回避、減損の回避、本来は収益計上ができない補助金を偽って収益計上したことなど、多岐にわたる不正会計が指摘された。マイナスの影響額は計1607億円。別の年度で処理したものなどを含めると総額4498億円(いずれも純利益ベース)に及ぶ。
報告書は、過度な業績プレッシャーをはじめ複数の要因を挙げる中で、旧PwC京都との関係性にも原因があると認定した。監査人の旧PwC京都がニデック側から「説得しやすい相手」「くみしやすい相手」と認識されていたことが不正につながった可能性も指摘している。
旧PwC京都は07年、みすず監査法人(旧・中央青山監査法人)が解散した際、京都事務所のチームが京都監査法人として独立して誕生した。カネボウの粉飾事件への関与で中央青山の公認会計士3人が有罪判決を受けたことなどが解散のきっかけで、16年にPwC京都に改称、23年にPwCあらたと合併しPwCジャパンとなった。
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【親会社のプレッシャーは認識していたが・・・】
