社内でM&Aの武器が強化された
――コロナ禍以降、M&Aを中心とした成長戦略に舵を切った印象です。買収先選びでは、どんな点を重視していますか。
最も重要な点はシナジーだ。われわれにはECのプラットフォームで培ったITと物流がある。これらを統合して収益性を上げ、DXを推進する。ECのプラットフォーマーやブランド、店舗を運営するセレクトショップはシナジーを発揮しやすい。
物流は3カ月以内に統合する。ITも、マガシークは2年ほどかかったが、リーボック、ロイヤル(セレクトショップ)は3~6カ月で統合した。買収した会社の受け皿として、われわれのプラットフォームがすぐに入れることが特徴だ。
経営環境として、以前は投資をすれば事業が伸びたが、コロナ禍以降はZOZOの成長率も1桁になるなど、ファッションECは成熟化している。内部への投資よりもM&Aが合理的になっている。
また、公式ECの運営支援を行うプラットフォーム事業を続け、リーボックの承継でITと物流を磨き込んだことで、社内でM&Aの武器が強化されていた。既存事業の投資をやめるわけではなく、大きな投資をM&Aでやっていく方針だ。

――買収した会社との統合作業をスムーズに進める体制は、どう作ってきたのでしょうか。
ロコンドはZOZOの後発で、ZOZOも靴を扱っている。返品交換が無料というだけでは弱い。どうブランドを仕入れて差別化するか。そんな中で生まれたのが、2012年に始めたプラットフォーム事業だ。サマンサタバサとの取り組みから始まっている。
その後も、提携するブランドの要望に応えながら、店舗で欠品した場合にロコンドの倉庫から購入客に届けたり、ロコンドの倉庫から店舗や他社ECにも送ったりする仕組みを整えてきた。気づいたらECだけでなく、小売りや卸を含め、ITと物流を受託できる仕組みができていた。
実際に、リーボック(の統合)はよくできた。当時のリーボックは物流とITで10億円以上のコストをかけていて、広告などにお金を使えない状況だった。物流とITを統合していくシナリオははまる、と思った。
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