30年前、話題の中心にいた日本
私がアメリカに留学していた1990年代の前半、私の周囲では日本人学生がとても多かった。街中を歩いていても、日本語をよく聞いた。授業でも日本企業の話題が多く、「日本企業ならどうする?」と教授からいきなり話を振られて焦ることも何回もあった。
当時は1ドル100円前後で、授業の後にいつもランチをしていたバーガーキングのセットが2ドル。アメリカは物価の安い国だな、と思ったものだ。
その頃の日本経済は、バブルが崩壊したとはいえ、まだ世界から一目置かれていた。
1990年の日本の一人あたりのGDPはアメリカより1割ほど高く、アジアの中ではシンガポールや韓国を上回り、中国とは70倍以上もの差があった。当時の日本は圧倒的に豊かな国だった。
しかし30年後の現在、旅をしていても、日本企業や日本経済の話を聞く機会はとても少なくなった。
数字で見ても、2025年の一人あたり名目GDPは約3万6000ドル。アメリカは日本の約2.5倍、シンガポールは約2.8倍で、韓国にも逆転されてしまった。中国に対してはまだ約2.6倍あるとはいえ、以前のような圧倒的な差ではない。
私の経験上での話だが、食事の価格も東京だと1000円で食べられるランチが、ニューヨークやロンドンだと4000円、シンガポールや北京でも2000円はするといった感じだ。
日本は安い国になった。この間に一体何が起こったのだろう?


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