その一方で自動車大国・日本で2025年に売れたEVは、たった10万台ほどしかない(PHEVを含む)。EVが売れていない日本では、「EVは終わった」という声もあるが、世界のデータはそれとは違うことを語っている。
現在最強を誇る日本の自動車産業にも、大きな変化の波が押し寄せている。
「世界の工場」は、アメリカから日本、そして中国・インドへ
この話を経営学の視点から解説してみよう。
国際経営論の古典的な考え方に、1966年にレイモンド・バーノンが唱えた「国際プロダクトサイクル理論」というものがある。新しい製品はまず先進国で生まれ、製品が成熟し、生産技術が標準化していくにつれて生産拠点がコストの低い国・地域へ移っていくというものだ。この理論が提唱された当時、圧倒的な先進国はアメリカであり、日本は高度経済成長の途上、中国は工業化の初期段階にあった。
60年前のアメリカは、製鉄でも自動車でも圧倒的な地位を誇っていた。GMもUS Steelも世界最大級の会社だった。テレビも半導体もアメリカ企業が圧倒的に強かった。
しかし1970〜80年代、「モノづくり力」に秀でた日本企業が、そうしたアメリカ大企業の牙城を崩しはじめた。日本企業は怒涛の勢いでアメリカ市場に進出し、数多くのアメリカ企業を事業撤退や売却に追い込んだ。1980年の自動車の生産台数で見ると、日本は1104万台と、2位のアメリカ(801万台)を凌駕した(国土交通省)。
こうしてモノづくりの中心はアメリカから日本へ移り、そして50年後の現在はさらに中国へと移っている。
下のグラフは、鉄鋼と電子機器という主要工業製品での比較だ。20〜30年前はこの分野は日本が世界一だったが、現在は中国が圧倒し、インドも台頭している。


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