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「1600日超」連続で通う客も…名古屋発「立ち呑みやきとんチェーン」が仕掛ける"驚きのファン化戦略"

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大須観音店
名古屋でよく目にする「立呑み 焼きとん 大黒」。常連客が通い詰める仕組みを探った(写真:筆者撮影)
  • 赤川 琉偉 ライター・ナックルボーラー
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この「はしご」を生むのが、狭い範囲に店を集中させるドミナント出店だ。名古屋市内では名古屋駅周辺に11店舗、栄駅周辺に9店舗、金山駅周辺に6店舗を構える。大黒の隣に魚椿を出すような隣接出店もある。ドミナント戦略では自社店舗同士でのカニバリが生じることがあるが、大黒の場合は10坪の小さな店なので、近くに出しても自社の店同士で客を奪い合いにくい……とのこと(色々と逆転の発想すぎる感もある)。

こうした施策の結果か、開店から年数がたった古い店でも売り上げが伸び続けているという。既存店の売上高は前年同期比104.9%と、着実に増えている。

効率化が「人間味」を生む

ただ、スタッフに「常連の名前を覚えろ」「会話をしろ」と求めるだけでは、店は回らない。忙しい時間帯に料理が遅れれば、どんなに感じのよい接客も台無しになる。大黒が強いのは、人間味のある接客をスタッフ個人の頑張りに任せず、仕組みで支えているからだ。

まず店の設計だ。同社はカウンター中心の店内を「コックピットのような店舗設計」と表現する。スタッフはその場に立ったまま、店内の客全員に目を配れる。客との近さを生かした接客を、社内では「接近戦」と呼んでいる。

大須観音店には、ホール専任のスタッフがいない。スタッフは全員カウンターの内側に立ち、串を焼きながら客と話す。座り席への料理や飲み物も、そのスタッフたちが運ぶ。調理場の工夫も細かい。引き出し型の冷蔵庫に食材を種類ごとに分けて入れており、探さずにすぐ取り出せるようにしている。狭い店舗の強みを生かしているのだ。一方で仕込みは、2022年に愛知県津島市に新設したセントラルキッチンに集約している。

引き出し型冷蔵庫の話を知ったとき、厨房までよく「科学」されていると感じた。仕込み済みの食材がすぐ手に取れるよう整理されている飲食店は、実はそこまで多くない。筆者は学生時代にスキマバイトでいろいろな現場を経験したが、大黒はすぐに仕事を覚えられそうだと思った。

日曜の昼には、子ども連れの家族に「ぶためん」を出すとき、スタッフが辛い台湾ミンチを別の皿に分けていた。こうしたちょっとした気遣いが生まれるのも、調理の手間を極限まで減らしていることが背景にあるだろう。

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