有料会員登録
ライフ

「1600日超」連続で通う客も…名古屋発「立ち呑みやきとんチェーン」が仕掛ける"驚きのファン化戦略"

13分で読める
大須観音店
名古屋でよく目にする「立呑み 焼きとん 大黒」。常連客が通い詰める仕組みを探った(写真:筆者撮影)
  • 赤川 琉偉 ライター・ナックルボーラー
2/7 PAGES
3/7 PAGES
4/7 PAGES

来店は「出勤」、スタンプカードは「出勤簿」

同社はファンを3段階に構造化している。まず特定のスタッフのファンになってもらい、次に店舗のファン、最後に会社全体のファンへと広げていく。そのために、スタッフの誕生日イベントや店長就任イベント、スタッフが考案したメニューなど、スタッフ個人を応援したくなる企画を戦略的に打っている。言ってしまえば、店員を「推す」のだ。

メニューの考案者として、店員が載っている(写真:筆者撮影)

大須観音店のメニュー表にも、スタッフが考えた期間限定メニュー「珍道中」の欄がある。10月は「モナカ・デ・ピッツァ」と「クレープ・ド・ニクミソ」(どちらも330円)が並び、考えたスタッフの顔写真も載っている。

大須観音店の8周年イベントの告知。ポスターの主役はスタッフたちだ(写真:筆者撮影)

こうした施策には、社内でそれぞれ名前がついている。繰り返し顔を合わせるほど好感度が上がる心理効果を狙った「ザイオンス戦略」。スタッフがきっかけをつくって、客同士のつながりを生む「トライアングル戦略」。居心地のよさを、最初から狙ってつくろうとしているのが分かる。

それが一番よく分かるのが、2021年4月に始まった「スタンプ365」と呼ばれるスタンプカードだ。デザインは会社の出勤簿を模しており、来店することを「出勤」と呼ぶ。冒頭の「1600日超」の客も、この出勤簿で記録されている。スタッフに聞くと、台風の日もこの客のために店を開けたことがあるそうだ。

面白いのは、その徹底ぶりだ。スタンプを押さなかった日は「欠勤」扱いで、毎月の皆勤者には非売品の「皆勤賞」が用意される。毎日は通えない客のためには「有給」まであり、開始当初は最初の半年が月5日分、その後は常連としての年数、つまり「入社年数」に応じて増える仕組みだった。

5/7 PAGES
6/7 PAGES
7/7 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数