――少子化で「大学全入時代」と言われる中、なぜここまで難関私大の門戸が狭まっているのでしょうか。
確かに数の上では「大学全入時代」です。しかし実態は、難関大や有名大に人気が集中して受験生を集め続け、それ以外の大学は受験生を集めにくくなるという二極化が起きています。
そこに文部科学省の定員管理の厳格化が影響しています。始まりは16年度入試です。私立大学等経常費補助金を交付しない基準が段階的に厳しくなり、収容定員8000人以上の大規模大学では、18年度には入学者が入学定員の1.1倍以上になると補助金が出なくなりました(注2)。
関関同立クラスの大学では、この補助金は年30億〜60億円にのぼります(注3)。とても無視できる金額ではなく、入学者を基準内に抑えようとする意識が急速に高まりました。16年度入試ではそれほど影響は出ませんでしたが、翌17年度入試では各大学が合格者を大幅に減らし、受験生に大きな影響が出ました。
23年度からは、判定の基準が入学定員から収容定員、つまり1〜4年生の在籍者数の合計に変わりました。単年度ではなく大学全体で管理する方式になって少し緩和され、一時的に合格者が増えました。ところが基準は段階的に厳しくなり、大規模大学では23年度の1.3倍から、25年度には1.1倍まで引き下げられました(注4)。そのため、過去の学年で多めに入学させた分、いわば「累積の上振れ」を清算しなければならなくなりました。志願者が増えているのに合格者を減らさざるをえない状況になったのです。
センター試験と共通テストの“違い”
――志願者が増えている理由は何ですか。
もう1つの要因は、センター試験から共通テストへの移行です。共通テストはセンター試験と比べて難しくなり、国公立大学を目指す受験生にとって大きな負担になりました。そのため、安全策として私立大学も受ける国公立志望者や、国公立大学を諦めて私立大学に絞る受験生が増えています。
大学人気の二極化と共通テストの影響で志願者が増えているのに、国の収容定員の厳格化によって合格者を絞らざるをえない。そうした状況が生まれてしまったのです。


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