大学が合格者を絞る事情は、関東も関西も同じです。文部科学省が私立大学に交付する補助金(私立大学等経常費補助金)のルールが厳しくなり、定員を超えて学生を入学させると補助金を減らされたり、交付されなくなったりします(文部科学省「令和5年度以降の定員管理に係る私立大学等経常費補助金の取扱いについて(通知)」)。
違いは受験生の動き方にあります。関西には、年内に行われる推薦入試、とくに学力試験で合否を決める「公募推薦」を受けて滑り止めを確保し、そのうえで年明けの関関同立の一般入試に挑むという受験慣行が根付いています。年内に合否が出る入試を受ける受験生が多いため、難関私大の絞り込みが、年内と年明けの2段階で下の大学群へ伝わっていきます。
関西の現場では何が起きているのでしょうか。大阪を中心に教室を展開する大学受験の個別指導塾「個別戦略指導会(コベセン)」でブランド統括責任者を務め、書籍『受験は戦略が9割!?』の著者の西田有佑氏に聞きました。
「5回受けても全滅」が半数近くに
――関西の大学受験で、「関関同立の合格者が一気に絞られた」と話題になっています。現場では何が起きているのですか。
一言で言えば、この2年間で「志願者が1割増えたのに、合格者が1割減った」という前代未聞の事態が起きています。
関関同立の一般方式では、延べ志願者が約18.5万人から20.4万人へと10.4%増えた一方で、合格者は約5.8万人から5.3万人へと9.2%減りました。倍率は3.2倍から3.9倍に上がっています。倍率が約4倍ということは、出願の4分の3が不合格になっているということです。
とくに影響が大きかったのが関西学院大学です。志願者が10%増えたのに、合格者は25%も減りました。受験生の間では「3〜4回受ければ、どこか1つは受かる」というこれまでの常識が完全に崩れました。いまは5回受けても1つも合格できない受験生が半数近くいるという、極めて厳しい状況です(注1)。


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