そして本厚木店では「朝ラーメンセット」を導入する。朝の7時30分から営業する予定で、通勤・通学客の朝食需要を狙う。スガキヤのスープは軽やかで、朝から食べるラーメンとしても相性が良さそうだ。
興味深いのは、同じ神奈川県内の2店舗でも、立地に合わせて商品や営業時間を変えていることだ。郊外型の長津田では家族連れや買い物客を意識し、本厚木では駅利用者の朝食需要まで取り込む。従来のスガキヤらしさを維持しながら、地域ごとの利用シーンに合わせて柔軟に商品を展開しようとしている。
また、スプーンとフォークが一体化したような独特の形状の「ラーメンフォーク」も採用されている。スガキヤの象徴ともいえる存在で、東海地方の人にとってはおなじみだが、初めて見る人には新鮮に映るだろう。こうした小さな体験も、ブランドの認知を広げるきっかけになる。
「安いラーメン」という一点だけを訴求するのは危険
次は価格設定についてだ。スガキヤといえば、圧倒的な安さが魅力のひとつだ。
筆者は2024年に東洋経済オンラインで、スガキヤのラーメンがなぜこれほど安く提供できるのかを取り上げた。
しかし、首都圏では東海地方と同じ条件で営業できるとは限らない。今回の神奈川県の店舗では、ラーメンをはじめとする商品の価格が東海地方より若干高めに設定されている。看板メニューの「ラーメン」は通常店舗では430円だが、カエデウォーク長津田店では490円となる。
首都圏のラーメン専門店では1000円を超える一杯も珍しくなくなった。そう考えれば、スガキヤの価格競争力は依然として高い。ただし、スガキヤの価値を「安いラーメン」という一点だけを訴求するのは危険だ。


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