目黒駅から電車で6分の洗足駅。周辺一帯は、現在の東急の前身である田園都市株式会社が「洗足田園都市」として売り出した街である。同社が田園調布よりも前に、最初に着手したのがここ洗足での街づくりだった。洗足では、戦前から高級住宅地が形成されていた。
戦後、相続や売買により土地が細分化されていったものの、現在でも比較的ゆとりのある良好な住宅地となっている。市街地再開発事業やその他の大規模な再開発が行われることはなく、タワマンや超高層ビルはない。
洗足駅周辺は、なぜ再開発されないのだろうか。
再開発フックが早くに完了
その理由としてまず、再開発フックの一種である鉄道の立体交差工事が早くに完了していることが挙げられる。
洗足駅のホームは1967(昭和42)年8月、環状7号線の整備、目蒲線の立体交差工事に伴い地下化されている。1972(昭和47)年11月には、新しい駅舎が完成した。
「市街地再開発事業」が確立された都市再開発法の制定は1969(昭和44)年6月で、最初に事業完了したのは1973(昭和48)年3月だ。つまり洗足では、再開発の手法が整う前にフックとなる駅周りの整備が済んでしまっていたのである。
1995(平成7)年には東京都の都市計画事業として「目蒲線立体交差事業」が認可され、東京都、品川区、目黒区、東急が共同で事業を推進していくことになった。2006(平成18)年7月に、不動前〜洗足駅付近間地下化が完成。2009(平成21)年3月、目黒〜洗足駅間の立体交差工事が竣工している。


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