この2度目のフックの際には、目黒区が洗足駅前の広場などを整備した。しかし、高層ビルが建つような再開発を行うことはなかった。
行政が再開発を想定していない
行政が再開発を想定していないことは、マスタープランを見ても明らかである。
目黒区の都市計画マスタープラン(2023年4月改定)において洗足駅周辺は、目黒駅や自由が丘駅などの「広域生活拠点」よりも小規模な「地区生活拠点」とされている。
洗足について示されている具体策は、いちょう通りの無電柱化と、建物の建て替えに合わせた共同化による歩行空間の確保などだ。洗足の特徴として挙げられているのは、いちょう通りによる趣のあるまちなみである。
いちょう通りは1986(昭和61)年度に目黒区が、「区内の美しい街並みや風景、伝統的な行事等の中から特にふさわしいものを選び、その将来にわたる保存・育成を通じて都市環境の整備やコミュニティの形成に役立てるとともに、優れた風景を創出することを目的に選定」した「めぐろ風景55」にも選ばれている。(『街を見る・知る・耕す』1989.2)
いちょう通りは大正期、田園都市株式会社が「洗足田園都市」を開発した際に整備したものである。同社のつくった景観が、街の価値として評価されているのである。


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