スマホを3秒スクロールするだけで、呼吸は乱れます。一瞬、息が止まったり、胸の上だけの浅い呼吸になったりします。呼吸が浅くなれば、脳は酸素不足に陥ります。酸素は、細胞がエネルギーを生み出すために欠かせないものです。脳の酸素不足は脳疲労を招き、集中力の低下、判断ミス、イライラ、夕方の崩れを引き起こすのです。
私たちは24時間、「ライオンの前」にいる
太古の昔、サバンナでライオンに出くわしたとき、私たちの祖先の体には決まった反応が起きました。筋肉が緊張し、肩が上がり、呼吸が浅く速くなる。血圧と脈拍が上がり、逃げるか戦うかの準備が整います。
スマホを手にしているときの私たちの体にも、これと同じ反応が起きています。ポケットの中で通知が鳴る。画面が光る。そのたびに、手のひらサイズのライオンがこちらに吠えるのです。
ただし、決定的な違いがあります。
サバンナのライオンは、いずれ去っていきます。安全な場所に逃げれば、呼吸が戻り、緊張が解ける。この「回復」までがセットになって、生き物の体は成り立ってきました。
ところが、スマホのライオンは去ってくれません。枕元で光り、仕事の通知としてやってきて、夜中にも鳴る。私たちの体はライオンの前に立ったまま仕事をし、食事をし、眠ろうとしているのです。休み方が下手なのではありません。休みに入ろうとする前に、ライオンがまた唸り声を上げるのです。
サバンナのライオンは去った。スマホのライオンは去らない。ここが、現代の疲れの核心です。
さらに、ここ数年でもう1頭、別のライオンが現れました。生成AIです。


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