一方で乗用車市場は、中国メーカーの台頭が顕著です。そんなタイの市場において、ホンダは15年ほど前、販売台数1位だった時代がありました。今はトヨタに抜かれて2位ですが、30年に1位への返り咲きを狙っています。
直近3~4年は、モデルチェンジが少なかった我々ですが、それでも販売台数は維持できています。そして年末から新型ハイブリッドシステム採用車を含む、新しい車種を投入予定で、競争力がグッと高まるはず。現状の年間販売台数は約7万台ですが、30年までに11万5000台を実現し、トヨタを抜いて1位になる、これを合言葉にしています。
11万5000台まで販売台数を増やすために必要なこと
Q.ホンダが販売1位に返り咲くために、岩波社長のお考えを教えてください。
岩波社長:タイ販売台数1位のキーワードがハイブリッド車+αです。タイのユーザーニーズは、「BEVか、それ以外か」というパワートレインに加え、新しいものが好きな国民性もあって「スマートカーか否か」も重要です。そこで我々は得意するハイブリッド技術に加えて、エージェントAIでいろいろできるSDV(Software Defined Vehicle:ソフトウェアでクルマの昨日や価値をアップデートし続ける自動車)の開発にも注力し、「ホンダ=スマートカー」を明確に打ち出していきたい。
現状で、すでにタイにおけるホンダの販売でハイブリッド車は90%を超えているので、次に注力すべきはSDVなどの技術です。30年をメドにすべてのラインナップをスマートカーにして、ハイブリッド車+スマートカーで勝負したいですね。
あと、日本では最初にコンパクトカー、家族ができるとミニバンなどのファミリーカー、そして子育てが終わるとまたコンパクトカーのように、ライフステージに適したクルマを選ぶ傾向が強いと思います。一方でタイは、人生のステージにおいてクルマが連動しなければいけない、そういう考え方があります。
例えば、20代でシティのような入門的なモデル、その後に20代後半から30代にかけてシビック、アコードやCR-Vのように、クルマを徐々に大きくしていく。しかし、タイにおける現状のラインナップだと、その先の車格がなく、ホンダから他社に乗り換えてしまう……。その点においては、年末に発売する次世代ハイブリッドシステム搭載の大型SUVに期待しています。
Q.最後に岩波社長から伝えたいことはございますか?
岩波社長:電動化やBEVの時代は、タイに限らず、必ずやってくると思います。そのために我々も準備しなければいけないが、ホンダとしては中国メーカーに遅れをとっている部分もあります。それに対応しながら、社会課題を解決することが重要です。ただ、ホンダだけでは解決が難しいので、業界全体で考えていきたいです。


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