例えば、インフラやリサイクル、今後必ず訪れるバッテリーEVの廃棄問題、さらにバッテリー発火等の問題……。課題は山積みです。そのほか、日本でもそうですが、EVはリセールが悪いという状況があります。タイは歴史的に自動車のリセールがよかったのですが、それがBEVの台頭で崩壊しつつあるという課題に直面しています。だからこそ、我々ホンダをBEVで残価がつく、自動車マーケットを確立させたいんです。
ここまではハイブリッドを含む電動化を中心にお話ししましたが、最後に個人的な意見として、電動化は推進しますが、100%である必要はないとも考えています。ホンダは、以前にグローバルで新車販売を電気自動車および燃料電池車のみで100%にするという目標を掲げていたので、過去を否定することになってしまいますが、コアコンピタンスを残すべき。
嗜好品としての内燃機関車を残したほうがよいと考えています。ただし、それはカーボンニュートラル燃料とセットで、地球を汚さないというのが前提です。例えば、アメリカにはアキュラというブランドがあります。また、ホンダが過去に世に送り出した「S2000」や「NSX」の後継車も作りたいです。それらはBEVじゃないだろうという思いもあり、趣味としてのガソリンエンジン車を作り続けたい――。
次世代ハイブリッドシステム搭載車投入でどう変わるのか
今回は、新Hマークを主題に、ホンダ オートモビルタイランド岩波社長にインタビューし、ハイブリッド戦略を掘り下げた。そんな中で最後にガソリンエンジン車を作り続けたい、そう語られたのはホンダらしさ、さらにエンジニア出身の岩波社長の人柄も感じられた。
わかったのは、次世代ハイブリッドシステム搭載車の第1号をタイで発売が予定されていること、そしてタイではすべにハイブリッド車を軸にした戦略が着実に進んでいることだ。これはタイに限らず、日本はもちろん、グローバルでも同様だろう。
また、巷ではホンダのBEVシフト失速、それによる巨額の赤字に注目が集まった26年だったが、それ以外の戦略に関しては予定どおり進行していることは理解できた。27年には、日本でも「e:HEV」に変わる、次世代ハイブリッドシステム「Honda Hybrid」が登場してくるだろう。そのときこそ、ホンダの決断が正しかったのか、判断できるのではないか。


※ログイン後、コメント入力が可能です。