一方で変化としては、電動スライドドアを持つモデル(いわゆるミニバン)が成功者の象徴として、ショーファーカーとして認知を拡大しています。例えば、トヨタ「アルファード」や日産「セレナ」などの人気が高まっており、多少割高な価格でも売れるという状況です。そこでホンダでも「ステップワゴン」を投入しています。
ASEANに関しては、全体的に苦戦しているのが本音です。販売計画どおりに進んでいるのはタイくらいで、とくに苦しいのがインドネシア。二輪販売に関しては堅調ですが、四輪販売については苦戦しています。クルマを買える中間層が少なく、Aセグメントはそれなりに売れていますが、我々はそのクラスの車種がないので厳しい戦いになっています。
マレーシアは、プロトンやプロドゥアといった国産メーカーが強く、それらに次ぐ販売台数をホンダは確保していますが、中国メーカーのジーリーが伸びてきています。また、ベトナムも同様で、17年に参入を発表したビンファスト(ベトナムの自動車メーカー)が脅威です。バイクからの乗り換えに適したモデルから高級車まで、下から上までフルラインナップを持ち、最近ではクオリティも高くなっています。
タイは、幸いなことに国産自動車メーカーが存在しませんが、マレーシアやベトナムのような自国産の自動車メーカーがある国は、国も積極的に投資するのでつらい部分ですね。
中国メーカーのBEVが目立つ一方、安定した販売状況のハイブリッド車
Q.タイにおけるBEVやHEVの販売状況についてお聞きしてもよいでしょうか?
岩波社長:市場としては、かなりハイブリッド車の比率が増えています。グローバル戦略と同様、タイでもホンダはハイブリッド車を中心に据えています。実際にホンダの販売状況ですが、ハイブリッド車の比率が94%とグローバルで見ても非常に高い数値です。市場全体で見ると、ハイブリッド車が45%くらい、BEVが30%くらい、残りがICE(Internal Combustion Engine:内燃機関車)になりますが、純ガソリン車がどんどん減っています。
依然、中国メーカーを中心としたBEVが好調ですが、それはタイの国策(EV3.5:タイにおける電気自動車の普及促進・助成策)による後押しが強いです。ただし、EV3.5は期限付きで、28年1月に終わるので、そこでBEVは一旦落ち着くのではないかと予想しています。


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