その背景には、日本社会に長く根付いてきた考え方があるのです。
江戸時代の格言を手がかりにすると、その正体が見えてきます。
江戸時代の大奥には、「一引き、二運、三器量」という格言があったといわれています。
将軍の側室になるには、器量がよいことよりも、自分を引き立ててくれる人や、運に恵まれることが大切だ、という意味です。
この考え方は、現代の企業PRにも通じます。
大奥の格言を現代のPRに活用する
日本の企業の99.8%を占める中小企業の経営者は、「良い商品やサービスをつくっていれば、いつか誰かが認めてくれる」と考えがちです。
つまり、「器量」ばかりを磨いているのです。
その背景には、長く続いてきた日本社会の上下関係や、組織の中での役割意識もあるでしょう。
昭和の高度経済成長期には、大企業を頂点に、多くの中小企業が下請けとして連なる産業構造が形成されました。
そんな中、子どもの頃から、「毎日頑張っていれば、お天道様が見ていてくれる」「努力していれば、いつか誰かが手を差し伸べてくれる」と教わった人も多いでしょう。
一方で、自分から積極的にアピールすることは、敬遠されがちでした。
「沈黙は金」「謙遜は美徳」という言葉も、その価値観を象徴しています。


※ログイン後、コメント入力が可能です。