有料会員登録
ライフ

「来年もまた桜を一緒に」全身にがんが転移、病院で"数日の命"と言われた女性がわが家で生きた1カ月…娘と交わした約束

9分で読める
進行がんで「数日の命」と告げられた女性が目にした桜(写真:筆者提供)

INDEX

24時間365日断らない医療をモットーに、人生の“最期のとき”と“再出発の一歩”の両方の場面で、患者や家族と向き合い続けている「しろひげ在宅診療所(しろひげ)」。
本連載では、不登校やひきこもりを経て、医師になった在宅医の筆者が出会った人たちとのエピソードを通じて、病気や困難を抱えた人とその家族が、その人らしく暮らしていくために何ができるのかを考えていく。
【写真を見る】「来年もまた桜を一緒に」全身にがんが転移、病院で"数日の命"と言われた女性がわが家で生きた1カ月…娘と交わした約束(4枚)

負担をかけるぐらいなら…

「本当は家に帰りたいんです」

入院中の進行がんの患者さんから、こんな言葉を聞くことがときどきあります。

痛みが強くなったら、夜中に急に具合が悪くなったら、食べられなくなったら、トイレに行けなくなったら……。こんなとき病院であれば医師や看護師が対応してくれます。しかし、家だと家族がすべて対応することになるのではないか。

「そんな負担をかけるくらいなら、病院にいたほうがいい」と、本人が望んでいるはずの「家に帰る」という選択肢が、いつの間にか消えてしまうのです。しかし、「無理だろう」とあきらめていた自宅での療養も、実際には可能です。肺がんの終末期だった女性、古澤さん(仮名、72歳)も、その1人です。

この連載の一覧はこちら

古澤さんは、肝臓を含め全身にがんが転移していました。病院では入院を継続するように勧められ、自宅で症状を和らげることや、家族が対応することは難しいと説明を受けていました。

それでも、家で最期を迎えたいという思いを持っていたご本人と娘さんは、“しろひげ”の在宅医療に託そうと連絡をしてこられ、筆者らが関わることになりました。

2/6 PAGES
3/6 PAGES
4/6 PAGES
5/6 PAGES
6/6 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数