「本当に強い大学ランキング」は、比較可能な定量データを用いて、受験偏差値では測れない大学の実力を算出するランキングだ(全国のトップ300大学のランキングはこちら)。
2006年から、指標や対象大学数に若干の変更はあるものの、ほぼ同じ方式で毎年ランキングを発表している。
対象は、800以上にのぼる日本の大学のうち、本誌が今年3月に実施したアンケートに回答し、かつ24年度の財務諸表が入手できた大学。また今回から『本当に強い大学』の「大学四季報」に有力大学として掲載している総合大学などは回答の有無にかかわらず対象としている。
比較が難しい株式会社立大学や文部科学省管轄外法人、大学院大学、専門職大学などは対象外としている。結果、国公私立合わせて544大学がランキングの対象になっている。
ランキングで重視しているのは大学の4つの力。1つ目は学生に付加価値を与える「教育・研究力」、2つ目は教育力のわかりやすい成果である「就職力」、3つ目はそうしたアウトプットの基盤となる「財務力」で、4つ目はグローバル時代への対応力を見る「国際力」である。
1位東大のゴタゴタは他大学にも影響しかねない
今回は、関東・首都圏にメインキャンパスを置く大学に限定して、上位100校の「本当に強い大学」を紹介していく。なお対象大学は、180大学となっている。ランキングでは、総合ポイントのほか、総合順位も記載している。
1位は東京大学。ランキング開始以来、不動の総合1位となっている。215億円と圧倒的な科学研究費補助金(科研費)を筆頭に、1492人にのぼる卒業生の上場企業役員数(役員数)、16.9%に達する外国人学生比率、377校に及ぶ海外留学協定校数など、多くの項目でポイントが高い。
新学部「価値創造学部(UTokyo College of Design)」を27年9月に開設し、女性初の東大総長が27年4月に誕生予定など、変化も進む。ただ、東大大学院・総合文化研究科・藤垣裕子教授の総長就任をめぐっては、選考過程の不透明さに批判が広がっている。関芳弘文科相は10月20日の記者会見で、「どのような客観的な事実に基づいてどのように候補者を比較検討して今回の判断に至ったのか、判断の合理性について十分に説明責任を果たしていただきたい」と東大に求めた。医学系では収賄事件が相次ぎ、教員の逮捕・起訴があった。東大ではコンプライアンスやガバナンスの立て直しが急務だ。
こうした東大のゴタゴタは、他大学にも影響しかねない。運営費交付金や科研費など国民の税金が最も投入されているのは東大だ。日本のため、最高レベルの教育や研究を行う義務を負っている学校・研究機関ともいえる。その東大で、本来あるべきガバナンス体制が整っていないとなれば、ほかの国立大学(国立大学法人)でも同じような問題が起きていないか、厳しい目が向けられることになりかねない。国家財政が厳しさを増す中、国民の大事なお金を高等教育にどう配分していくか、ますます注視されることになるだろう。
2位は早稲田大学。総合順位でも国立の東大に次ぐ2位だった。海外留学協定校数は587校で最多、外国人教員比率も高く、国際力で高い数値を示す。役員数の多さや入学定員倍率の高さなども評価を押し上げた。
教育研究力強化のための財政基盤強化を目的に開始した「早稲田エンダウメント」では、世界トップ大学の取り組みを参考に資金の運用・投資を行い、戦略的投資予算は26年度に6.5億円まで拡大している。知財の戦略的管理や学部生の全員留学実現に向けたプログラム整備も進める。
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