本当に強い大学はどこか──。比較可能な定量データを用いて本誌が毎年算出しているのが、この「本当に強い大学ランキング」だ。2006年から、指標や対象大学数に一部変更はあるものの、ほぼ同じ方式でランキングを実施している。
対象は、800校以上に上る日本の大学のうち、本誌が今年3月に実施したアンケートに回答し、かつ24年度の財務諸表が入手できた大学だ。ただし、今回から主要大学については回答の有無にかかわらず対象とした。
544校対象に総合評価
また比較が難しい株式会社立大学や文部科学省管轄外法人、大学院大学、専門職大学などは対象外としている。結果、国公私立合わせて544大学がランキングの対象になっている。
ランキングで重視しているのは大学の4つの力。1つ目は、学生に付加価値を与える「教育・研究力」、2つ目は、教育力のわかりやすい成果である「就職力」、3つ目はそうしたアウトプットの基盤となる「財務力」で、4つ目はグローバル時代への対応力を見る「国際力」である。
この4つの力を表す定量データを3~4選び、計13の指標で評価。各指標の数値は偏差値にしてポイント化し、その平均値を総合ポイントとした。
教育・研究力は「教育投資率」「科学研究費補助金(科研費)」「教員1人当たり学生数」の3つの指標で評価している。
「教育投資率」は収入総額に占める教育・研究費の割合で、数値が高いほど評価も高い。国公立と私立とでは会計基準が違うため、ポイント算出の計算式も異なる。
「科研費」は、国から交付されている補助金だ。科研費総額の多い大学は研究水準が高く、教育面でも相乗効果があると考えられる。
就職力の指標は「就職率」「上場企業役員数(役員数)」「有名企業400社への就職率(400社就職率)」の3つ。いずれも数値が高いほど高ポイントになる。「就職率」は各大学のホームページなどで公表されている数値ではなく、卒業者数から大学院進学者数を引いた数を分母とした「実就職率」を採用している。「400社就職率」は、就職の質に着目し、日本を代表する400社に就職した卒業生の割合を見る。
財務力の指標は「総志願者数/入学定員倍率」「経常利益率」「自己努力収入比率」「自己資本比率」で、いずれも数値が高いほど高ポイントになる。
「総志願者数/入学定員倍率」は一般入試に加え、総合型・学校推薦型選抜入試などを含めて算出。「自己努力収入比率」は寄付金や受託研究収益など大学の自助努力で得られた資金の比率だ。財務データを基に算出する指標は、国公立と私立とで異なる計算式を用いてポイントを算出している。
国際力の指標は「外国人学生比率」「海外留学協定校数」「外国人教員比率」の3つ。国際化の進展度や、海外留学の選択肢の幅広さを評価している。いずれも数値が高いほど評価も高い。
各指標の出所や計算方法については、下図の通りだ。
東京大学が今年も1位
では26年の「本当に強い大学」の結果を見ていこう。1位は東京大学。ランキング開始以来、連続で1位となっている。215.4億円と最多の科研費をはじめ、役員数や外国人学生比率、海外留学協定校数など多くの項目でポイントが高かった。だが、25年以降、大学院医学系研究科の教授ら2人が収賄容疑で逮捕・起訴される不祥事が発生。コンプライアンスの取り組みが求められる。
2位は早稲田大学。海外留学協定校数587校は全体2位、外国人教員比率も13.5%と高く、国際力で高い数値を示す。入学定員倍率11.7倍も比較的高い数字だ。
3位の慶應義塾大学は、役員数が1593人でトップ。科研費は早稲田を上回る34.4億円で私立最大。教育投資率や400社就職率も高かった。
4位は京都大学。科研費が東大に次ぐ139億円。教員1人当たり学生数など各指標も高水準だ。5位は初の国際卓越研究大学に選定された東北大学。科研費や就職率、海外留学協定校数などは高水準だ。
6位は大阪大学でバランスよく高評価。ここまでの順位は昨年と同じだった。7位は名古屋大学で昨年から順位を1つ上げた。400社就職率が高い。
8位は豊田工業大学。トヨタ自動車が創設し、学費は国立並み。学生数は500人程度の小規模校だが、400社就職率でトップ、自己資本比率など高い数字を誇る。
以下、9位九州大学、10位北海道大学と続く。上位10位内に国立7校、私立3校と国立優位の図式は変わらない。未回答大学のトップは63位の東京科学大学。統合直後で算出できない数字もあったと思われる。
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