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M&Aによるニデックの成長が変節を迎えている。
ニデックは10月1日、子会社のニデックコンポーネンツ(旧日本電産コパル電子)を米投資会社のカーライルに売却すると発表した。譲渡価格は1029億8000万円。コンポーネンツはプリンターなどに使われるポリゴンミラーで世界一のシェアを持つ。2026年3月期の売上高は320億円、営業利益は54億円だ(利益率16%)。ニデックにとって主要子会社の売却は初めてのことだ。
カーライルは「高い品質と信頼性を強みに、市場において確固たる競争力を築いてきた」と同社を評価する。が、あるニデック関係者は、「汎用性の高い電子部品ビジネスはその裏返しとして、成長領域には関わりが薄い」と語る。
ニデック創業者の永守重信氏は、05年に出版された著書『情熱・熱意・執念の経営』の中で、「私は成長論者で、飽くなき成長を求めています。1990年代に入り、日本の高度成長の時代は終わりました。M&Aでの相互連携による技術の飛躍的向上を背景に、成長を維持しようとしているのです」と記した。
不採算企業を買収し、強烈なトップダウンと猛烈なコスト削減でV字回復させる。永守氏のM&A戦略は、それまでの日本の経営者には見られない戦略として称賛を集め、ニデックの売り上げ規模を押し上げてきた。今回の子会社売却は、その戦略が逆回転を始めたことを意味している。
M&Aによる「膨張」
ニデックのM&A戦略の根底にあったのは、祖業の小型精密モーターを軸に「回るもの、動くもの」に特化するという方針だった。永守氏はPMI(買収後の統合プロセス)を重視し、買収した子会社には徹底した原価低減ノウハウとハードワークを注入し、短期間での黒字化を成し遂げてきた。その苛烈な実態は、東洋経済オンラインが26年1月7日配信の「ニデック永守氏が豪語した『買収先のリストラはしない』の裏側」で詳しく報じている。
こうしたM&Aで確かに売上高は成長してきた。しかし、そこに技術の融合、クロスセルによる販路拡大など、相乗効果は伴っていただろうか。
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