――上下分離に反対するのはなぜでしょうか。
北海道では人口減少が急速に進んでいて、自治体も生き残ることに精いっぱいだ。上下分離が怖いのは、通常時の設備の維持管理に加えて、一度大雨などの天災が来て線路や橋、トンネルなどが被害を受けると、その補修や復旧についても基本的に自治体の負担になる。ただでさえ疲弊している自治体にそうした新たな負担を強いるのは本来、避けるべきだ。
JR北海道は、国が鉄道・運輸機構(鉄道建設・運輸施設整備支援機構)を通じて100%株を保有している。国の政策によって自治体に新たな財政負担が生じるというのは、地方財政法が禁じる国から地方への負担転嫁にあたる可能性がある。それはもう再三申し上げてきた。国土交通省やJR北海道にも申し入れをして、結果的に上下分離の議論が止まったことは、よかったと思う。
JR北海道の経営責任
――上下分離をめぐっては、全国で公有民営の上下分離が広がっています。2023年には「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律(地活化法)」が改正され、国が関与する鉄道再構築事業の仕組みも整えられました。当初JR北海道は、この仕組みの活用に積極的でした。
地活化法は民間の私鉄を中心に考えられた仕組みで、国が全株を保有するような会社を前提にしていない。JR北海道はあくまでも国が100%株主だから、そこは明確に議論を分けるべきだと思う。
JR東日本も(只見線で地活化法を使った)上下分離を実施しているが、JR東日本は純粋な民間企業だ。彼らが上下分離を導入するケースとJR北海道では前提が全く異なる。
――JR北海道では不採算路線の上下分離の議論が10年間堂々巡りを続けてきました。その根本原因はどこにあると思いますか。
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